ニワトリの卵といえば、なぜあの形なのでしょうか?
この謎は、ギリシャの哲学者アリストテレスや、デカルトなど名だたる偉人たちがこの謎に挑み、いまだに議論の的となっています。
そんな中、1979年、日本の学者が画期的な論文を発表。
その論文を発表したのが、ものの形を研究する数学者、西山豊さん。
彼によると、ニワトリのたまごがこの形なのは「転がらないため」だといいます。
もし、卵がビー玉のように丸いと、坂を真っ直ぐに転げ落ちます。
一方、卵を置くと、細く尖った方が地面に向かって傾きます。
極端に言えば、円すいのような状態。
そのため、振り子のように転がり、傾いた場所でも転がり落ちません。
数式で書くと、↓こんな感じ。
たまごが転がらないと、どんなメリットがあるのでしょうか?
親鳥はヒナを卵でかえします。
この形であるため、転がっても、自分のヒナをかえす場所から遠くに行かずに、親鳥の範囲内で止まります。
ニワトリ以外の卵はどうでしょうか?
ペンギンの場合は、不安定な場所で卵を温めることが多いため、ニワトリの卵よりも尖っています。
そのため、転がってもさらに近い範囲でとどまります。
さらに尖っているのが、ウミガラスの卵。
彼らは崖の上に巣を作ります。
このように、不安定な所で産み落とされる鳥のたまごは、転がらないように先が尖っていると推測できます(※諸説あります)。
一方、カメのたまごは楕円形で、非常に転がりやすいです。
カメは穴の中にたまごを産むのと、たまごを温める習性もないので、親から離れても問題ないからだといいます。