若者を中心に「急性内斜視」が増えているという話:ニュースウォッチ9【2019/06/13】

若者を中心に「急性内斜視」が増えているという話がありました。

急性内斜視とは、目が内に寄ってしまって、外に開けなくなる、そのため遠くを見るとものが二重に見えるというものです。

その原因は、スマホの見過ぎだといいます。

長時間のスマホ使用に注意

ある人のスマホ使用時間を、iPhone のスクリーンタイムで見てみると、

1日に14時間近くも使用している日がありました。

さらに、スマホの見すぎが深刻なケースに陥った人もいました。

ある高校2年生の男性は、中学1年でスマホ使用開始し約1年後、物が二重に見えるようになってしまいました。

多い時はスマホを1日10時間以上使っていたという男子生徒。

去年9月に、「急性内斜視」と診断されました。

その後、使用時間を半分に減らしたところ、瞳のずれがわずかに改善。

しかし、担当医は改善したとは断定できず、経過観察が必要としています。

そして、男子生徒は、手術で治すことを決断しました。

急性内斜視の仕組み

急性内斜視の仕組みはこうです。

眼球の動きに欠かせないのが、周りの筋肉です。

スマホなどを近くで見続ける場合、眼球を内側に向ける筋肉「内直筋」が縮み、眼球を内側に寄せて目を動かします。

こうした状態が長く続くと、この内直筋が縮んだままとなり戻らなくなってしまうのです。

こうなると両目の視線が一致しないため、急性内斜視では、二重にものが見えてしまうというのです。

どうして、スマホが急性内斜視を引き起こしやすいのでしょうか?

斜視の矯正に詳しい 梶田雅義 先生によると、

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例えば、本を読むといっても、ページをめくるときに目が動く。

そういう風に目を動かしなら使っている分には、わりと凝り固まることがない。

ところが、スマホは同じ距離、しかも本を読むよりも、おそらくずっと近い距離。

そこをじっと同じように動かないで見ていると、やはり内直筋が固まってしまう。

とのこと。

さらに、患者のほとんどが10〜20代の若者だといいます。

そして、より注意が必要なのが、小さい子ども。

体が小さく、腕が短いため、スマホとの距離が近くなってしまうといいます。

梶田先生によると、

視力の発達はだいたい9歳までで、完成すると言われていて、9歳以前に斜視があると、「弱視」になる可能性が高い。

眼鏡をかけても、コンタクトレンズを使っても、視力が出ない目を「弱視」というが、なってしまうと一生不便です。

大人でも内斜視が起こる可能性はあるので、子どもだけではなく何歳になっても注意を払っておいた方がいい。

とのことでした。

対策方法

とはいえ、今や生活に欠かせないスマホ。どんなことに気をつければよいでしょうか?

・20〜25センチ話して見る。

・10分に1回、1〜2秒目を開いて遠くを見る。

斜視の判別法

斜視かどうかは、フラッシュを使って自分の目を撮影すると分かりやすいといいます。

正常な目の場合、フラッシュの光が瞳の中央にあります。

斜視の場合は、中心からズレた所にフラッシュの光があります。