星が☆の形なのはなぜ?という話がありました。
これを早稲田大学の近藤二郎先生が説明していました。
そもそも星の形というのは、みなさんが思い描く☆の形をしているわけではない。
星というのは本来、太陽と同じように丸い形をしています。
しかし、とても遠くにあるので光の点にしか見えません。
それなのに、なぜ、☆の形になったのか?
それには、私たち人間の瞳が関係しています。
瞳には、黒い瞳孔の回りに「虹彩」というものがあり、
横から見ると、こんな感じ。
伸び縮みして、光の量を調節するレンズの絞りのような働きをしています。
その隙間から光が入り、網膜に見たいものが映し出されます。
そして、星があの形に見える鍵となるのが、虹彩の形。
よく見てみると、少しギザギザになっています。
虹彩がきれいな円だと、映し出される光も円形ですが、
ギザギザだと放射状に映し出されます。
街灯を見た時、光が放射状に見えるのも同じ現象です。
ですので、本来は丸いはずの星も放射状に見えるのです。
その放射状に見える星の形をヒトデに見立てたのが古代エジプト人。
海に面しているエジプトでは、身近な存在であったヒトデをヒエログリフ(象形文字)という古代エジプト文字のひとつとして使っていました。
それが、いつしか星を表すようになったというのです。
↓ こちらは、紀元前2320年ごろにつくられたウニス王のピラミッド。
その内部の王のひつぎが置かれた部屋の天井には、星が一面に描かれている。
太陽が西の地平線に沈むと、死の世界は冥界であって、夜を表現しているので、一面に星を描いている。
神である太陽が西に沈み、夜になると、その太陽が死んでしまうと考えていました。
この「死の世界」を象徴するものとして、夜の景色をお墓に描いていたのです。
↓こちらは、ペピ1世のピラミッドの参道の天井に描かれた星。
真ん中に丸い形が描かれていて、ヒトデの口を表現してたのではないかとされている。
そして、古代エジプト人が連想したように、世界各地の人々も海にいるヒトデを見て星を連想した。
英語でヒトデは「starfish(スターフィッシュ)」
フランス語では「海の星」という意味の「etoile de mer(エトワルドゥメール)」
日本語でも「海星(ヒトデ)」と読みます。