郵便局で問題となっている保険のトラブル。
不適切な疑いの保険契約が約18万件を超えた日本郵政グループ。
知らぬ間に保険に入れられていたという家族もいました。
ある日、二人の郵便局員が、智子さん(87歳)の元へ訪ねてきました。
郵便局員は、相続税対策の話がしたいと切り出したといいます。
娘の弘美さんも同席し、4人で30分ほど話をすると、
営業で立ち寄ったことを報告するため、「こちらにサインをしてほしい」と用紙を差し出されたといいます。
親子二人は、疑うことなくサインしたといいます。
ところが数日後、家族は身に覚えのない書類の存在に気が付きます。
それは、保険の契約証書。
郵便局員が面談後に置いていった資料の中から、保険証券や重要書類が出てきたのだといいます。
この保険の内容は、娘の弘美さんが死亡した時に、高齢の母親が保険金を受け取るというもの。
保険料の支払い総額は10年間で、約860万円。
月約7万円の支払いの8割近くを掛け捨ての「特約」にあてた設計でした。
不審に思い問い合わせた家族はさらに驚きます。
郵便局側が開示したのは、保険に同意したとするサイン。
報告のためと言われて書いた二人のサインが、保険契約に同意したことを示す書類に転写されていました。
実は、営業の報告のためとサインを促した時に使用されたペンは、もともとかんぽ生命がペーパーレス化を進めるために導入したもの。
筆跡をデータとして保存し、そのまま他の書類に転写できる機能が備わっていました。
家族が抗議して2ヶ月後、かんぽ生命はこの契約を無効としました。
理由は、契約者の意向と相違しているためだとしています。