暑い国の人が黒い服を着ている理由:ヘウレーカ!【2019/07/31】

空気というのは、動かなければ保温に役立って、服は空気を重ねることで保温につながる。

人間の体は発熱体なので、開口部を全部閉じて、完全に静止空気の状態にすると保温になる。

例えば、駅まで走って行って着いた途端に、一気に汗が出ることがあります。

これは、動いているときは「ポンピング効果」といって、空気と服の揺動で間の空気が換気します。

ポンピング効果が働くと、なお涼しくなるのが、走っていたのが急に止まると、それが急になくなるので、服の中の空気が停滞し、体からの熱が逃げず、汗が噴き出る原因となる。

空気の流れが起きると、同じ服でも涼しくなるということです。

中東地域のベドウィン族は、黒い服を着ていますが、快適だといいます。

しかし、白色の服の方が暑さを防げるのでは?と考える科学者もいたそうです。

そこで、ある実験をしていました。

気温が40℃を超えるような砂漠で白と黒の同じデザインのローブを着てもらい、どちらが涼しいかを調べるというもの。

ベドウィン族の民族服は、体と密着していないため、間にたくさんの空気を抱え込んでいる。

砂漠の暑さで、服の中の空気が温められると、密度が低下して軽くなり、上昇気流が起きる。

この現象を「煙突効果」と呼びます。

白い服と黒い服の比較実験をしたところ、白の表面温度は41℃、黒は47℃になった。

これだと、黒い服の方が暑いと思えますが、

煙突効果による上昇気流は温度が高いほど強くなる。

つまり、黒のほうが空気の循環が多くなるため、白と変わらないぐらい涼しいといいます。

さらに、黒い服の方が熱は集めるが、紫外線は遮る。

服と体の間の空気をいかに対流させるかということが、暑さ対策のポイントになるということです。