空気というのは、動かなければ保温に役立って、服は空気を重ねることで保温につながる。
人間の体は発熱体なので、開口部を全部閉じて、完全に静止空気の状態にすると保温になる。
例えば、駅まで走って行って着いた途端に、一気に汗が出ることがあります。
これは、動いているときは「ポンピング効果」といって、空気と服の揺動で間の空気が換気します。
ポンピング効果が働くと、なお涼しくなるのが、走っていたのが急に止まると、それが急になくなるので、服の中の空気が停滞し、体からの熱が逃げず、汗が噴き出る原因となる。
空気の流れが起きると、同じ服でも涼しくなるということです。
中東地域のベドウィン族は、黒い服を着ていますが、快適だといいます。
しかし、白色の服の方が暑さを防げるのでは?と考える科学者もいたそうです。
そこで、ある実験をしていました。
気温が40℃を超えるような砂漠で白と黒の同じデザインのローブを着てもらい、どちらが涼しいかを調べるというもの。
ベドウィン族の民族服は、体と密着していないため、間にたくさんの空気を抱え込んでいる。
砂漠の暑さで、服の中の空気が温められると、密度が低下して軽くなり、上昇気流が起きる。
この現象を「煙突効果」と呼びます。
白い服と黒い服の比較実験をしたところ、白の表面温度は41℃、黒は47℃になった。
これだと、黒い服の方が暑いと思えますが、
煙突効果による上昇気流は温度が高いほど強くなる。
つまり、黒のほうが空気の循環が多くなるため、白と変わらないぐらい涼しいといいます。
さらに、黒い服の方が熱は集めるが、紫外線は遮る。
服と体の間の空気をいかに対流させるかということが、暑さ対策のポイントになるということです。

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