1つのスピーカーでいろんな音が同時に出せるのはなぜ?という話がありました。
そもそも音とは耳が感じる空気の振動のこと。
音が聞こえるということは、空気の振動が耳に伝わったということ。
あらゆる音には固有の振動があり、全ての音は1つの波形で表せる。
例えば、太鼓やトライアングルの波形は拡大するとこの通り。
音の違いによって固有の波形になっている。
2人の声の波形を見てみると、例えば同じ「ラ」の音でも、それぞれで波形が違うことがわかる。
さらに、2つ以上の音が同時に聞こえたとしても、波形にすると1つになる。
つまり、同時に聞こえる音は、1つの音になるということ。
これは声だけでなく楽器が加わっても1つの波形になる。
オーケストラも波形にすると1つ。
逆にいえば、この波形どおりに空気の振動させることができれば、どんなに複雑な音も再現できる。
それをしているのがスピーカー。
スピーカーが波形どおりに空気を振動させ、オーケストラなどの音を再現して伝えている。
こちらは、スピーカーの中の断面図。
磁石とコイルと、コーン紙といわれる紙が入っている。
音の波形を電流の量と方向、つまり電気の流れで再現しコイルに流すと磁石と反応し波形どおりに振動、
コーン紙を伝わって空気の振動を生む。
これがスピーカーが音を出す仕組み。
複雑に音が重なったオーケストラの音など、スピーカーはどんな音でも空気の振動として再現できる。
このスピーカーから出てくるのは、あくまでも1つの波形で表されるいわば1つの音。
しかし、私たちの耳は、同時に聞こえるたくさんの楽器の音や歌声を聞き分けることができる。
これはなぜでしょうか?
その理由は、人間の耳の中にある有毛細胞が音をバラバラにしているから。
耳に入った音、つまり空気の振動は鼓膜を通り、蝸牛という場所に伝わる。
この蝸牛のうずまきの中には音を認識する細胞がある。
内有毛細胞といって、音の高さに反応するセンサーになっている。
低い音はうずまきの奥の方、高い音は入り口付近で反応する。
内有毛細胞が音の高さによってバラバラに反応し、それぞれの音を別々の電気信号で脳に伝えることで、音をバラバラに判別している。

DENON CD/MDシステムコンポ 木目 D-MG33-M
- 出版社/メーカー: デノン(Denon)
- メディア: Personal Computers