裏声が出るのはなぜ?という話がありました。
声というのは閉じた声帯が震えることによってできた「空気の波」のこと。
その空気の波を作り出すのが、のどの奥にある「声帯」という部分。
普通に呼吸をしている時は、声帯が開いているが、
声を出したり、歌ったりする時は、左右の声帯が閉じ、間を通る息によって振動し、そこでできた空気の波が声になる。
この時、声の高さを決めているのが、声帯の筋肉、いわゆる「声帯筋」と「輪状甲状筋」。
声帯筋が縮むと、声帯が短くなって低い声が出て、
輪状甲状筋が縮むと、声帯が引っ張られて高い声が出る。
わかりやすく、声帯筋をゴムに例えると、
ゴムを張らない状態で指で弾くと「低い音」、
ゴムを引っ張った状態で指で弾くと「高い音」。
このように、声帯も伸びたり縮んだりして音の高さを変える。
声の高さは、この2つの筋肉が綱引きのように、引っ張り合うことで決まる。
裏声は、声帯の張り具合ではなく、声帯筋の厚さに関係がある。
厚さを見てみると、
声帯に厚さがあるのは、地声。
そして、徐々に声を高くしていくと、声帯は引っ張られ、徐々に薄くなっていく。
しかし、一方で地声を維持しようとして、声帯の厚さを保とうとする力も働く。
そして、地声の限界がくると、声帯筋は「これ以上引っ張られたら壊れてしまう!」と悲鳴をあげる。
声帯は、限界まで引っ張られると、厚さを保つことを諦めて、長く引き伸ばされ、一気に薄くなる。
こうして声帯同士が合わさる面積も一気に小さくなり、裏声になる。
ちなみに、ソプラノ歌手は最初から声帯筋が諦めた裏声で歌っている。
実際にクラシック曲の中で、音程が高いことで有名な曲をソプラノ歌手は裏声だけで歌っていました。

- 作者:上野 実咲
- 出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア
- 発売日: 2017/11/25
- メディア: 単行本