出っ歯で、肌はシワシワで毛がない動物「ハダカデバネズミ」。
野生のハダカデバネズミは、ケニアやソマリアなどアフリカ東部に生息している。
暮らしているのは、地面の下に掘ったトンネル。
モグラのようだが、スゴイのは地中に群れを作って生活していること。
食べ物の少ない地中で生き延びるため、100匹以上の仲間と協力しながら暮らしている。
群れの秩序を守るため、厳格な階級制度も持っている。
子どもを生む女王、戦う兵隊、働きネズミなど、役割が分かれている。
働きネズミは、主に食べ物探しや子育てを担当している。
生まれたばかりの赤ちゃんを自らベビーベッドとなって暖める「ふとん係」の仕事もしている。
このような階級制度を持つのは、哺乳類ではデバネズミの仲間だけ。
ハダカデバネズミは、寿命が長く、老化しにくい、ガンにもなりにくい。
例えば、ハツカネズミの寿命は3年だが、ハダカデバネズミはその10倍で、30年近く生きる。
長生きの理由は、体がほとんど老化しないこと。
年を重ねても、肌の若々しさは、ほとんど変わらない。
ガンにならないのはなぜか?
ガンとは遺伝子に異常が積み重なって、細胞の増殖が止まらなくなることで起こる病気。
ハダカデバネズミには、遺伝子の異常をいち早く感知して、細胞がガン化するのを防ぐ仕組みがあることがわかった。
これが人間の寿命やガンの予防に役立つかもしれないと考えられている。
ハダカデバネズミは人と同じ哺乳類で持っている遺伝子は似ている。
ヒトの遺伝子をハダカデバネズミと同じように働かせることが出来ればガンや老化を予防することができるかもしれない。
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- 作者:平田 昌広
- 出版社/メーカー: 汐文社
- 発売日: 2019/04/12
- メディア: 単行本