全身の運動方程式の話:ろんぶ〜ん【2020/01/06】

筑波大学の小池関也 先生がスポーツ選手の動作を分析していました。

全身の運動方程式(関節トルク+重力+運動依存=加速度)を野球のスウィングで例える。

まず「関節トルク」。人間の関節には筋がまたがっていて、その筋が緊張力を発揮すると、関節に回転の作用が生まれる。

次に「重力」。地球上にいるのでバットには質量があり、下に落とされる。

次に「運動依存」。バットを振り回すと回転運動が生じた際の遠心力の作用のこと。

この3つ各項が作る加速度を全部足し合わせると、観測される加速度になる(バットのヘッドスピードを生む)。

というのが運動方程式

この式を図で表すと、↓こちらのブロック図になる。

重要なポイントはループ状になっている部分。

筋力や重力が生み出したスピードに、遠心力が加わり更に大きくなることを表している。

これが時間経過とともに繰り返され、インパクトに向けてスピードが雪だるま式に増大していく。

それを数値化したものが、↓こちらのグラフ。

関節トルクは最初上がってきて、インパクト付近では落ちている。

つまりこのグラフからわかるのは、ヘッドスピードのほとんどを運動依存と遠心力で作っているということ。

腕に力を入れて振ろうとするのではなく、

運動依存(遠心力)をうまく作れるバッターは、ヘッドスピードを大きくすることができる。

↓こちらのグラフは、左側のグラフが野球部の学生などの平均、右側のグラフが元プロ野球選手のデータ。

( ← 左:学生などの平均 | 右:元プロ野球選手 → )

元プロ野球選手の方が、学生に比べるとバットの振り出して強めに筋力を使っているが、インパクト前には急なカーブで落ちていることがわかる。

同じようにゴルフもほとんどが運動依存。

一方、違うのはやり投げ、ほぼ関節トルク(筋力)で投げている。

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