温泉療法専門医の早坂信哉 さんが、最高の入浴法を紹介していました。
世界で日本人だけが毎日行っている習慣が「入浴」。
家での入浴だけでなく温泉地を訪れる日本人の数は、1年で延べ1億3000万人。
入浴は、むくみ解消、免疫力&血流UP、リラックス効果 など、さまざまな効用がある健康法の1つ。
毎日入浴している高齢者1万4000人を調査したところ、3年後に要介護になるリスクが30%低い。
日本人の長寿の要因にも一役買っているという研究結果もでている。
そして、今若者を中心にブームとなっているのが「サウナ」。
月に1回以上サウナを使用する人は1159万人にも上る。
サウナに入った後、水風呂に浸かる人は多いが、実はこれはオススメできない。
サウナに入ると温熱効果によって血管が広がり、水風呂に浸かると交感神経が刺激され血管が縮む。
この繰り返しによって血流が改善され、むくみや疲れがとれる温冷交代浴という健康法があるが、
実は、この健康法の対象となるのは欧米人、その中でも体を鍛えたアスリートだけ。
私たち普通の日本人にとって水風呂は体への負荷が強く、場合によっては不整脈や心筋梗塞を起こすケースもある。
そのためサウナのあとは、手足に冷水をかけるぐらいでちょうどいい。
入浴する前に緑茶を飲め!
脂肪の吸収を減らしたり、美肌効果があることで知られている緑茶成分・カテキン。
実は体内に吸収されにくいという性質を持っている。
しかし、入浴によって血流がよくなるとカテキンの吸収率が7倍もアップすることが分かった。
最初に入るのは大浴場
入浴施設は、一般的に内風呂よりも露天風呂の方が温度が高くなるよう設定されている。
旧に熱い露天風呂に入ると、血圧が急上昇し体に負担がかかってしまうため、最初は温度が低めの内風呂に入るのが正解。
露天風呂は2番目。
露天風呂では声を出せ!
露天風呂は気温とお風呂の温度差があるため、筋肉が緊張しやすくリラックスしにくい。
お風呂に入った際に、「はぁ」と声を出すだけでも、緊張した筋肉が緩みリラックス効果が促進される。
ジェットバス
ジェットバスや電気風呂に入るのは3番目。
これらの風呂では水圧の中でマッサージされている状態になる。
そのため、体を慣らしたあとに入らないと、血圧が急激に上がり体力を消耗してしまう。
ちなみに、吹き出し口から15cm体を離すくらいが筋肉の疲れを取る最適な入り方。
そして、最後は血圧を下げるため、温度の低い内風呂にもう一度入るのがオススメ。
家では 一番風呂は入らない
まだ誰も入っていない一番風呂は、お湯が汚れておらず綺麗なもの。
不純物の濃度が低く、体に良いと思われがちだが、実はこの考えは大間違い。
その理由は、浸透圧。
浸透圧とは、水が濃度の低い方から高い方へと移動する現象のこと。
不純物の濃度が低い一番風呂の水は、二番風呂に比べて体に吸収されやすい。
その結果、肌から皮脂が溶けて保湿成分が流出、肌荒れを引き起こしてしまう。
それでも一番風呂に入る時は、入浴剤を入れるとよい。濃度が高くなるので浸透圧がかかりにくくなる。
他には・・・、
・風呂場の照明は、眼精疲労のもとになるので、暗くするとよい。
・ゆず湯は、保温効果や保湿効果があるのでよい。代わりに食べ終わったあとのみかんの皮を天日干しして使うのもあり。みかんの皮にはリモネンという成分が入っていて、保温効果がある。
半身浴にダイエット効果なし!
運動して汗をかくと痩せるのは、脂肪を燃焼しているから。
しかし、半身浴で汗をかくのは脂肪の燃焼ではなく、お湯の熱さで体温が上がった結果、体内の水分が出てきているだけ。
そのため半身浴によるカロリー消費は少なく、ダイエット効果はほぼない。
頭のタオルは必須アイテム
内風呂に入る際、水で冷やしたタオルを頭に乗せるのは、のぼせ防止に効果あり。
反対に冬の露天風呂に入る際は、温めたタオルを乗せる。
こうすることで、冷たい外気とお湯の温度差で生じる血圧の上昇を防ぐことができる。
お湯につかる時間に気を付けよ!
長くお風呂につかりすぎると肌がふやけてシワシワになる。
これは肌の角層が水分を吸収しすぎ、肌のバリア機能が低下した状態。
この結果、保湿成分が肌から流れ出て、乾燥肌になってしまう。
お湯につかる時間はトータルで10分 〜 15分を目安に、温度は38度 〜40度のぬるめがベスト。
ダイエットしたければ食前に入浴せよ!
入浴の温熱作用によって、消化のために必要な胃腸の血液は全身に分散される。
この結果、胃腸の働きが鈍くなるため、湯上がりはおのずと食べる量が減る。
ちなみに、風呂上がりに牛乳を飲むと、水よりも脱水を回復させる作用が強い。

- 作者:早坂信哉
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2018/11/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)