日本の女子中高生の約8割が3か月以上生理がない無月経のリスクを抱えていることが研究機関の調査で判明しました。
思春期の女子が抱く痩せたい願望。
しかし、その裏にはあるリスクが、それが「無月経」。
スポーツ庁の委託を受けた順天堂大学女性スポーツ研究センターが、日本の女子中高生1214人に日頃の生活習慣について調査を行ったところ、約8割に3か月以上、月経が来ない無月経のリスクがあることがわかった。
1990年代にアメリカの研究期間が行った調査によると、
女性アスリートの多くが運動量に対して食事量が少なく、そのためホルモンバランスが崩れ無月経、さらに骨粗しょう症のリスクが高まっているという結果が出た。
この調査をベースとして、今回新たに日本の中高生を対象に調査を行った研究チーム。
その結果、無月経リスクは運動をする生徒、しない生徒に関わらず高かったという。
その背景にあるというのが、痩せたいという願望からの無理なダイエット。
実際に街の中高生に聞いてみると、
・結構、貧血とかでふらふらしたり、倒れたこともある。
・1日1回500キロカロリーぐらいにしてた、8キロ痩せた時に月経が3か月くらい来なかった。
という話があった。
なぜ、そこまでして痩せたいのかを聞いてみると、
・インスタとか見ていて、この人いいな細いなという人は何人かいる。
・細かったら洋服とか似合うなって。
・インスタのおすすめに出てくるから、できそうなのを見てやろうかなみたいな。「Before」「After」 とか載ってるからあるんだなと分かるから。
という話があった。
SNSに投稿された写真や動画の数々。タレントやモデルとった特別な人ではなく、身近な人の痩せている姿を見ることで、自分もこうなりたいという憧れの気持ちがより強くなるという。
さらに、SNSで若い女性に注目され多く拡散されるダイエットの成功体験。
一般の人の行っている方法だけに若い世代にとっては自分にもできると考えるのだという。
しかし、こうしたダイエットを度を越えてやってしまうと、10代の女性は特に無月経のリスクが高まるという。
医師によると、
生理は始まって2〜3年は不安定。
これから安定していく時に、食事のアンバランスがくると、体にもアンバランスが生じる。
その1つの症状として無月経になるということはある。
とのこと。
また、無月経になると、さらなる重大なリスクを招く恐れがある。
無月経でホルモンバランスが崩れることで、子宮内膜に発生する子宮体がんのリスクが高まる。
また排卵障害によって妊娠、出産ができなくなる恐れもあるという。
実際に「無月経」を経験した29歳女性の話がありました。
大学生になって自分で服を着る機会も増えるし、新しい世界に入るのでちょっとでも見た目を良くしたかった。
昼ごはんはスープだけ。夜もカロリーの低いもの。
運動は、水泳1時間半、夜は走る。
大学入学までに、少しでもかわいくなりたい、そう思って高校卒業間際の3か月だけ行った食事制限。
そこで体に異変が、月経が来なくなってしまった。
その後、病院に通い始めた女性。
そこで医師から告げられたのが、「自力で月経がこなくなってますね」というもの。
「将来結婚して子どもがほしいなってなった時、このままで大丈夫なのかなって気持ちがあった」という女性は、
医師の指導のもと、ホルモン剤などの治療を続けた。
そして、無月経となってから11年、29歳になり、ようやく薬に頼らない自力による月経が来るようになったという。
「痩せたいと思うのって10代の女の子はほとんど持つと思うんですけど、10年後20年後の自分の体のことを考えたら、無理はしちゃいけないなって、今自分がつくづく思うので、若いころはむちゃすると思うんですけど、将来のこと考えたほうがいい」