鍾乳洞って一体なに?という話がありました。
実は、「生き物の死体が溶けた穴」だといいます。
いったいどういうことでしょうか?
ちなみに、トゲトゲしてぶら下がっているのは「鍾乳石」。
この鍾乳石が垂れ下がっている洞窟そのものを「鍾乳洞」と呼んでいる。
この鍾乳洞のもとになっているのが「石灰岩」という石。
この石灰岩には2つの大きな特徴がある。
・石の表面にたくさんある穴や隙間から水が入りやすい。
・酢などの酸に溶けやすい性質
この2つの特徴を踏まえて、鍾乳洞が生まれるメカニズムを見てみる。
まず、鍾乳洞の材料になる石灰岩は、サンゴや貝といった生き物の死体に含まれる炭酸カルシウムをもとにできている。
魚などの死体は腐敗してなくなるが、
炭酸カルシウムは腐敗したり海水に溶けたりすることがなく、積み重なっていくことで石灰岩の地層が生まれる。
この石灰岩の地層が地殻変動などにより隆起し地表に現れることが鍾乳洞が生まれる最初のきっかけ。
地表に露出した石灰岩は雨にさらされる。
雨は、空気中の二酸化炭素を取り込んでわずかに酸性になる。
石灰岩の表面にある穴から酸性になった雨が内部を溶かしながら浸透。
そして、地層の変わり目などによって、水が下方向に浸透できなくなる。
すると、今度は横方向に水が浸透していき、
その一帯の石灰岩が溶かされることで、大きな空洞が生まれる。
この空洞こそが鍾乳洞の正体。
つまり、鍾乳洞とは、生き物の死体が積み重なってできた石灰岩という石が、雨に溶かされてできた大きな穴というものになる。
ちなみに、トゲトゲの鍾乳石は、上のほうで溶けた石灰岩が再び固まってできたもの。
水分と共に流れてきた石灰岩の成分が何千・何万年という歳月をかけて再び固まってできたのが鍾乳石。