おでん用ちくわの模様が違う理由:林修のニッポンドリル【2020/02/05】

冬の鍋の定番「おでん」。

その中に入っている「ちくわ」。

この「おでん用のちくわ」と、キュウリなどを入れて食べるときに使う「普通のちくわ」を見比べると、模様が違う。


これはなぜか?

ちっくわをはじめ練り物製品で国内トップクラスを誇る製造元の「紀文食品」で、ちくわの作り方を見てみる。

2つのちくわには、焼き方の違いがあった。

生ちくわ(普通のちくわ)は、約200℃でゆっくり焼く。表面をじっくりあぶって皮をつける。その皮が焼くことであの色になる。

この模様は表面の食感を楽しんでもらうため。

一方、焼きちくわ(おでん用)

突起から出た油を、ちくわの表面に斑点のように塗ってから焼く。


そこを一気に加熱すると、油をつけた部分が高温になるので、温度差ができて一気に膨れ上がる。膨らみが縮み斑点模様になる。


この斑点模様を作るのは、ちくわに含まれるうま味成分を出しやすくするため。

斑点模様は高温で焼き上げることで、皮が非常に薄くなり、表面に細かい穴が空く。

そのため、おでんにしたときに、汁にうま味が出しやすい。よりスープが美味しくなる。

この模様はおでんの汁を吸う役割もある。