ウイルス感染症が中国から広まる理由:池上彰のニュースそうだったのか!【2020/02/15】

「SARS」「新型インフルエンザ」「MERS」など、これまでにもいろんな感染症がニュースになってきたが、その多くが中国から発生して拡大したといわれている。


こうした感染症の多くに共通することがある。

それは、動物から人への感染、そして、人から人への感染。

中国の場合、野生動物が生きたまま珍味として売買されていて、一大産業になっている。

中国・武漢の市場のメニューには、日本で買えないものが売られている。

生きているハリネズミ・・・約280円、

生きているキツネ・・・約7800円 など。

生きていて新鮮、買い求め頂いたらその場で殺す。

生きた動物を食用として売っている、だからそれを殺してそのまま渡すと、それを自分で解体する段階で、動物に入っていたウイルスが感染してしまう可能性がある。

その動物に感染している段階では、そのウイルスはその動物には悪さをせず、それが人間に入ってきたところで思わぬ形で悪さをする。

一般的には、人間に感染してそれっきりだが、人間に感染した段階でまた突然変異すると、人間から人間にうつっていく。そういうケースが多い。

中国は、都市部は豊かだが、格差が大きく農村部は、まだまだ衛生管理が行き届いていない。

その結果、新型インフルエンザが中国南部の農村部で発生しやすい。

中国南部の農村部では、ブタと同じ屋根の下で暮らす人もいる。

動物と暮らすと、なぜ新型ウイルスが発生するのか?

例えば、

ブタが庭先に水を飲みに行く。そこへ、鳥インフルエンザを持ったカモがやってくる。カモも同じ所で水を飲む。この時、カモがふんをする。この中にそのウイルスが入っていて、ブタの体内にそのウイルスが入る。そうすると、このブタに人間のインフルエンザウイルスも感染する。

すると、ブタの中で、人間のインフルエンザと鳥のインフルエンザが混交して、

全く新しいウイルスができてしまう。

結果的に、そのブタから人間が感染し、ヒトからヒトに感染していくという事になる。

世界中のウイルス学者が中国南部に注目しているなかで、新型コロナウイルス(COVID-19)は、そういう農村地帯ではなく、武漢という都市で発生してしまったということで心配されている。