家で靴下を脱いで洗濯カゴや洗濯機に入れる時に、裏返っていると「元に戻してから入れなさい!」と母親から怒られたという人もいるのではないでしょうか?
しかし、実は、靴下の説明書きには、裏返して洗うことが推奨されていました。
なぜ、裏返して洗濯した方がよいのか?
表向きで洗った場合、靴下の裏には汚れがたくさん残っている。
靴下は袋状なので、中の汚れが外に出にくい。
でも、それだけではない。
表側についた汚れは落ちやすい。
裏側について汚れは落ちにくい。
それはなぜか?
靴下の表側に多く使われる素材には天然繊維が多く、見た目や風合いがよいという特徴がある。
一方、裏側に使われることが多いのは化学繊維。
伸縮性があるので、ずり落ちず履き心地もアップ。
裏側の化学繊維は、繊維が細かく伸縮性のある縮れた糸なので汚れが絡みやすく、洗濯しても落ちづらい。(表側のあぶら汚れなどは、洗剤で落とすことができる。)
しかも、付く汚れは、私たち自身の体、足から出る皮膚や角質などのタンパク質汚れで、洗剤では分離しづらい。
なので、表側で洗った場合、洗う度に裏側に残ってゆく汚れにどんどん菌も繁殖していくので、臭くなってしまうのです。
さらに、表側で洗った場合、もう一つ残念なことがある。
表に出ている天然繊維は摩擦に弱く傷みやすく、繰り返し洗っているうちに、ほつれたり穴があいたりしやすい。
その点、裏側の化学繊維は天然繊維と比べて摩擦に強いので、裏返して洗った場合、汚れも落ちるし靴下も守れる。
「新品の靴下」、「裏返して100回洗った靴下」、「表側で100回洗った靴下」をそれぞれ比べるとこれくらい違いがでました。
裏返して洗った靴下は新品とそんなに変わらず、表側で洗った靴下はだいぶボロボロでした。