なぜ草食動物は筋肉モリモリなのか?という話:チコちゃんに叱られる!【2020/04/10】

草食動物は草しか食べないのに、なぜ筋肉モリモリなのか?という話がありました。

これについて、日本大学 生物資源科学部 特任教授の 村田浩一 先生が説明していました。

そもそも、人や動物が筋肉を作るには、タンパク質の元になるアミノ酸が必要。

このアミノ酸には、筋肉をつくるアミノ酸筋肉を作れないアミノ酸の大きく分けて2種類がある。

このうち筋肉をつくるアミノ酸は、草にはあまり含まれていない。

例えば、牧草に含まれる約10%のアミノ酸のうち筋肉をつくるアミノ酸はたったこれだけ。

では、なぜ草食動物は筋肉モリモリなのか?

これは、体内にいる大量の微生物のおかげ。

例えば、ウシの場合。

ウシの体には4つの胃がある。

食べた草はまず、1番目の大きな胃の中に入る。

ここに微生物が大量に住んでいて、草を分解しアミノ酸を作る。

胃の中に住んでいる微生物は体内で草を分解し、「筋肉を作れないアミノ酸」を

筋肉を作るアミノ酸」に変える。

そして、草をエサに微生物はどんどん数を増やし、2番目、3番目の胃を通り、4番目の胃へ。

4番目の胃で微生物を消化・吸収することで、筋肉をつくるアミノ酸として利用する。

これは、ほぼ肉を食べているのと同じ。

ウシのように、キリンやシカ、ラクダなども、微生物を胃で消化してアミノ酸を吸収し筋肉を作っている。

一方、そうではない草食動物もいる。

ウマやゾウ、サイ、ゴリラなどは、草に含まれる僅かなアミノ酸を大量に摂取することで筋肉を作っている。

大腸の微生物が食べた草をエネルギーに変え、そのエネルギーのおかげで大量に食べることができる。

その結果、僅かな筋肉をつくるアミノ酸をたくさん摂取することができる。

つまり、草食動物は、体内にいる大量の微生物のおかげで、草からアミノ酸やエネルギー源を効率良く摂取し、筋肉モリモリになっていると言える。