新型コロナウイルスの抗体検査についての話:Mr.サンデー【2020/04/12】

中国やイタリアでは、新型コロナウイルスの抗体検査が行われている。

中国の武漢で行われたある抗体検査では、

針のようなもので指先をチクリと刺し、わずかな血液を抗体検査キットに付着させ、これだけで検査終了。

約15分後には、結果がわかるというものだった。

この簡単な抗体検査。

現在、日本では研究用のみに使われている。

これはなぜか?

4月1日の日本医師会の記者会見によると、

抗体検査キットは体外診断用の医薬品という形で、まだ承認をうけていないわけですけれども、確認できた抗体がどういうふうに続くのか、持続がどうなのかということについては、今後の研究を待たなければならない。

とのこと。

この抗体検査について、感染症の専門家である 三鴨廣繁 先生 が話をしていました。

抗体検査とは、人の血液に含まれるウイルスへの免疫反応で作られる物質、抗体があるかないか調べる検査のことで、1滴の血液から15分ほどで判定します。

実は、抗体には2種類ある。

1つが「IgM抗体」で、もう1つが「IgG抗体」。

「IgM抗体」は、感染の初期に出現し、そのあと消えてしまう抗体。

一方の「IgG抗体」は、「IgM抗体」より遅れて出現し、そのあと長く持続する抗体。

つまり、「IgM抗体」の有無で感染の初期段階であるかどうかが判定できる。

一方、「IgG抗体」の有無で、既に新型コロナに感染したことがあるかどうかが判定できる。

この「IgG抗体」は、感染症、ウイルスによって持続期間が異なる。

例えば、インフルエンザウイルスの場合、早くなくなる。

だから毎年、ワクチンを打たなければならない。

ところが、はしかなどは、1回かかれば一生かからないのが原則でずっと続く。

新型コロナウイルスがどのくらい「IgG」が続くかは、今は研究段階。

そして、「IgM抗体」は感染初期のものだが、約4日くらい経たないと出てこない。

そして、約7日から10日でなくなってしまう。

だから、見つける期間は少ない。

初めに症状が出ても、このキットを使うと「陰性」と出る。

しばらくすると「陽性」と出る。

ただ、これで「IgM抗体」が陽性となれば、特異度が高く、ほとんどが新型コロナウイルスに感染しているといえる。

血液1滴で簡単に検査できるので、開業医の先生のところや、クリニックなどで早く導入してもらいたい。