ヒトの皮膚について、皮膚科学研究者 の 傳田 光洋 さんが 話をしていました。
人間に一番近い動物というとゴリラとかチンパンジーですよね。
毛いっぱい生えてますよね、体中に。
体を守るためであれば、毛があったほうがいいですよね。
ところが人間はもうむき出しですよね。
ある意味、なんかぶつかったら傷つきやすい。
なぜそうなったのか?。
調べてみると、大体120万年前に人類の祖先は体毛をなくした。
分子生物学的に大体そのころだと言われているが、なぜ体毛を失ったのか?
120年前、人類の祖先にたまたま体毛が薄い個体が現れた。
彼らは体毛が濃い個体よりも生存に有利で、世代を重ねて個体数を増やしていったと考えられる。
人類の祖先が体毛をなくしたことについては、さまざまな議論がなされている。
傳田 先生は、皮膚を研究する立場からある仮説を唱えている。
我々の祖先がジャングルの中で生きてきた頃、例えば、落雷があったり、木が倒れてきたり、あるいは、肉食獣に襲われたりとか、いろんな危機に囲まれていた。
それを目で見て危ないどうしましょう、逃げよって言ってたらダメですよね。
そこで、皮膚を環境にさらしたことによって全身がセンサーになった。
その環境のさまざまな因子を瞬時に、全身がセンサーですから、目とか鼻じゃなくて、全身がセンサーになったわけですから、さまざまな周りの環境の変化や情報をいち早くキャッチし危機的な場面から逃げられた。
毛の薄いやつが生き残った。毛の薄いものがだんだん増えてきて、今の人間になったのではないか。
面白いのは、ちょうど毛が薄くなりだした頃から、脳がでかくなるんですよ。全身センサーにすると情報も増えますよね。
その処理をするために、脳も一緒に大きくなったのかなと。