お笑い芸人のカズレーザーさんが、
なぜ当初ガンダムは人気がなかったのか?という、しくじりの話をしていました。
今でこそ、テレビの続編やプラモデル、ゲームなどが人気の「ガンダム」。
しかし、1979年のテレビ放送時、機動戦士ガンダム(シリーズ第1作)は、当初全52話の予定でしたが、全43話で打ち切りとなった。
これは、低視聴率&オモチャ不人気によるもの。
以下は、他のロボットアニメとの最高視聴率の比較
では、どのようにして、後に人気を獲得していったのか?
放送後に人気が出た経緯がこちら。
中高生・女性を中心にファンが急増。
では、なぜ当初不人気だったのか?
それは、子ども達が期待していたロボットアニメではなかったから。
「勧善懲悪もの」「爽快感が得られる」とはちょっと違う。
そして、「ストーリーがすごく難しい」。
子どもには理解できるものではない。
「地球」が出てくるが、「用語」「地名」も子どもにはピンとこない。
地図を開こうにも、どこにあるのか全くわからない。
テーマは「未来の人間同士の戦争」。
主人公のアムロ属する「地球連邦軍」と反乱軍の「ジオン公国軍」がモビルスーツ(ロボット)を駆使し互いを攻撃し合う。
アムロは戦艦ホワイトベースに乗り込み、宇宙や地球、スペースコロニー(人工の大地)を舞台にジオンとの戦いを繰り返す。
登場人物やモビルスーツの種類も非常に多いので、テレビの前の子ども達には難しすぎる。
当初のガンダムの「4つのしくじり」
しくじり1「主人公を愛せない」
主人公のアムロは、ずっと部屋にこもって機械をいじっている、内向的、癖は「爪を噛む」、風呂嫌い。
ネガティブ、後ろ向きな主人公を受け入れるのに、子ども達は時間がかかった。
1話目でひょんなことからガンダムに乗ることになり、戦争に巻き込まれていく。
回を追うごとに性格が歪んでいき、「僕、本当にあの人を殴りたくなってきた」などと、陰で上司の悪口を言いまくる。
パトロールのため出動命令が出ても、背を向けて、トマトを頬張り、上司に楯突き通信をシャットアウト。
戦闘訓練も受けていない、基本はもう戦いたくない普通の少年。
「(そこまで言うなら)アムロ行きまーす!」
しかし、次第に、次々と敵を倒せるようになり、今度は天狗になる。
チームワークを見出し、ガンダムから降ろされそうになったアムロは、ガンダムに乗って1度失踪する。
「青臭い」「自分勝手」な行動が目立ち、「応援し難いキャラ」は、子ども達から人気が出なかった。
しくじり2「必殺技がない」
主人公が必殺技の名前を叫びながら攻撃が、当時のアニメのお約束だった。
では、アムロはどんなセリフを叫びながら攻撃していたのか?
「うわぁぁ〜」「わぁぁぁ〜」「うわぁぁぁぁ〜」「そこっ!」「下かっ!」「邪魔だっ!」「チッ!」
しくじり3「ガンダムが全く活躍しない回が結構ある」
例えば、第15話『ククルス・ドアンの島』。
ドアンという元ジオン軍の脱走兵が、島で3人の戦争孤児を育てるという話。
映画版・総集編では出てこない回。
1979年7月14日に放送された この回の視聴率は(3.4%)。
ガンダムは活躍しなかった。
しくじり4「ライバル『シャア』の難解さ」
赤い彗星と呼ばれるジオン公国軍の少佐「シャア・アズナブル」はエリート中のエリート。
マスクをとったらイケメンでガンダムの看板キャラで女性人気も大変高い。
それまでのアニメの敵役の捨て台詞は「次こそは・・・さらばじゃ」など。
しかし、指揮官として作戦に失敗し、二人の大事な部下を失ったシャア。
その失敗した後のセリフは?
「認めたくないものだな・・・自分自身の若さゆえの過ちというものを・・・」
それまでのアニメの敵役では考えられないシャアというキャラクターに子ども達は混乱。
そんなガンダムは、40年経った今でもファンから愛され語り継がれている。
2019年には、ガンプラ累計出荷数が5億個を突破。39年間で、2000種類以上。
実は、これまでの4つのしくじりこそが、ガンダムの評価を高めたポイント。
モノ作りに携わるすべての方にこんな教訓。
「既存の成功例を追わないことが、圧倒的な作品を生む唯一の道である」。