ストローでジュースが飲めるのはなぜ?という話がありました。
もちろん「吸ってるから」という話なんですが、それはあくまでキッカケに過ぎない。
重要なのは、吸引力の方ではなく、「大気圧の働き」。
大気圧とは・・・空気の重さによって生じる圧力。
私たち人間も、空気に押されて圧力を受けている。
これが、ストローでジュースが飲める仕組みと、どう関係しているのか?
大気圧は、水面に全て等しくなるようにかかっている。
ストローの中の水面にも、同じ大きさの大気圧がかかっている。
この時、ストローの中と外で、水面の高さが同じなのは、かかっている大気圧の大きさが同じだから。
しかし、ストローでジュースを吸うことによって、このバランスは 一気に崩れていく。
ストローで、ジュースを吸うということは、ストローの中の空気を吸うことになるのだが、
そうすると、空気の量が少なくなって、結果、圧力は小さくなった。
これに対し、ジュースの表面を押す大気圧の力は同じ大きさのまま。
こうして大気圧の力の差によって、
ジュースの表面にかかる大気圧が、ストロー内のジュースを押し上げる。
という仕組み。
つまり、私たちはジュースそのものをストローで吸っているように感じているが、ストローの中の空気を吸うことで、ストローの中の圧力の大きさを調節して、ジュースを飲んでいるというわけ。
実は、大気圧は上からだけでなく、あらゆる方向からかかっている。
ストローをコップのジュースにさして、ストローの口を指で押さえて、取り出した時、
ジュースが落ちてこないのは、大気圧が下からジュースを押しているから。
つまり、ストロー内の気圧とジュースの重さの合計が、
下からかかる大気圧と、ちょうど釣り合った状態だから、ジュースは落ちてこない。
私たちが、地上付近にいるときに受けている空気の圧力は「1気圧」。
実は、この1気圧という力で、ストロー内の水を押し上げられる高さの限界は、約10メートルだということがわかっている。
ストロー内の空気を吸って気圧を下げることで、水が上がっていくが、
ストロー内の空気がなくなって「0気圧」になると、これ以上気圧は下がらない。
水もこれ以上、上がらない。
この時の水の高さが、約10メートルということになる。
ちなみに、ジュースの場合は、水より少し重いので、大気圧が押し上げられる高さの限界は、約9メートルぐらいと思われる。