赤ちゃんの瞳がキラキラしているのはなぜ?という話がありました。
キラキラしている瞳の正体は「涙」。
涙は、まぶたの奥にある「涙腺」と呼ばれる場所で作られ、
絶えず目の表面を通り、鼻に向かって流れている。
キラキラした瞳は、涙で目の表面が潤うことで、光が強く反射する現象。
しかし、大人の瞳も涙で覆われているのに、なぜ赤ちゃんの瞳は、こんなにキラキラして見えるのか?
涙には、「油層」と「液層」という2つの層がある。
赤ちゃんの涙は、油層の油成分が大人の涙よりも、しっかりしているため乾きにくい。
涙は外側から油でできた「油層」、続いて主に水分でできた「液層」という、2重構造になっている。
そのうち、油層は涙が空気に触れて蒸発するのを防ぐ働きをする。
赤ちゃんの涙は、大人よりこの油層部分が厚く、こってりしているため、水分が蒸発しにくく、潤った状態を保っていられる。
さらに、赤ちゃんの涙は液層にある粘り気のある、ねばねば物質の「ムチン」が大人よりも多く含まれている。
ムチンは、納豆やオクラなどにも含まれる、糖とたんぱく質が集まってできた物質で、人の体の粘膜などにも多く含まれている。
その粘り気で、涙がさらさら流れ落ちるのを防ぎ、より潤いが長続きする働きをしている。
つまり、赤ちゃんの涙は、油っぽくて粘り気があるから、目の表面が乾きにくくて、常にキラキラした潤った状態を保てている。
では、なぜ、赤ちゃんはそこまでして瞳を潤わせる必要があるのか?
赤ちゃんは、ほぼ無菌状態で生まれるため、外の世界に住む多くの細菌への抵抗力がまだまだ弱い。
だから、大人よりも涙で瞳を潤わせて、細菌が目から侵入しないようにしている。
さらに、赤ちゃんは、まばたきの回数も大人の半分以下。
0歳児で1分間に1回、2歳児で6回と、かなり少ない。
そのままでは目が乾燥してしまうので、瞳を潤わせる必要がある。