レジ袋有料化によって、「エコバッグ万引き」なる犯罪が増えているという。
東京都練馬区にあるスーパー、アキダイ関町本店。
この店に訪れたある女性は、
店頭に並んでいたアメリカンチェリーを品定めをするように右手で取り、後ろを確認し、エコバッグの中に入れ、代金を支払わずに店を去っていった。
アキダイの社長によると、
アキダイ社長「エコバッグってむしろ店側からしたら、すごくやっかいな物になっている。エコバッグを使っての万引きというのが、明らかに激増したという状況です。」
とのこと。
お店には、入り口と出口が1つずつある。
買い物に訪れた客は入り口から 一方通行で、順番に商品を選ぶ。
最後にレジで会計を行い、出口を通り、商品を袋に詰める。
しかし、多くの客が会計を済ませ、レジのある出口から出てくる中、
出口からではなく入り口のほうから買い物カゴを下げて、再びあの女性が現れた。
台にカゴを置くと、ごく自然に、エコバッグを取り出し、カゴの中の商品を次々とバッグの中に入れていく。
しかし、なんとこれらの商品すべて、未会計。レジでお金を払っていなかった。
エコバッグに詰め終わると、店を出る女性。
何事もなかったかのようにお店をあとにした。
アキダイ社長「以前は、お会計が終わった人がレジ袋に入れている。(会計したか否かが)わかりやすい状態だった。エコバッグだとお会計が終わってないけど、エコバッグに入れられていても、なかなか分かりづらい部分がある。お店側でも今後いろいろな対応を考えなきゃいけない。」
今までは、レジ袋を持っていることが「会計済み」である証明だった。
それが今、レジ袋有料化により、レジ袋を持たないことで、会計済みか否かの判別が難しく、エコバッグ万引きをする人が増加しているという。
そして、三度目、またお店にあの女性が現れた。
エコバッグが入った買い物かごの中に、次々と商品を入れていく。
アキダイ社長「商品を隠して、何がカゴに入っているか分からないという状態にしていた。」
カゴに入った商品にエコバッグをかぶせるようにして隠していた女性。
防犯カメラに映らない場所へ移動する。
この時、店員は以前にもエコバッグ万引きをした女性だと気づき、警戒していた。
アキダイ社長「うちのスタッフが(商品)袋に入れているとことを見た」
そして、女性がエコバッグに商品を入れている姿を店員が確認。
女性が店を出た所で、店員が声をかけた。
すると、女性は暴れたため、警察に通報。
女性は警察の事情聴取を受け、エコバッグに未会計の商品を入れたことを認めた。
エコバッグの中からは、「つぶ貝」「ヒラメ」「プラム」「春菊」など、総額で1500円相当の商品が出てきた。
過去2回についても、自分がやったと認め、代金を全額支払ったという。
アキダイ社長「皮肉ですよね。レジ袋有料化によって、お店としても経費削減、地球環境に少しでも役に立つ、そんな思いでスタートしましたよね。でも、これが現実なんですよ」