女性天皇と女系天皇はどう違うのか?という話がありました。
ある質問がありました。
歴代の天皇の多くは男性ですが、過去には女性の天皇も存在しました。天皇の皇位継承を定めている皇室典範を改正して、女性の天皇を認めることに「賛成ですか?」「反対ですか?」
去年(2019年)5月に行われた、NNNと読売新聞社の全国世論調査で、この質問に「賛成」と答えた人の割合は約79%で、「反対」は13%、「答えない」は7%。
そして、もう1つの質問。
皇位継承はこれまで、父方が天皇につながる「男系」の天皇に限られています。女系天皇を認めることに「賛成ですか?」「反対ですか?」
こちらは、「賛成」が約62%、「反対」が22%、「答えない」が15%という結果。
こうみると、多くの日本人は、「女性天皇」「女系天皇」を認めることに賛成であるように思える。しかし、こうした世論調査は「意味がない」と主張する人物がいる。
竹田 恒泰 氏である。
NHKが同様に行った世論調査で、「女系天皇の意味をよく知っているか?」という質問に対し、「よく知っている」と答えた人はわずか約6%。「ある程度知っている」と答えた人は35%、「あまり知らない」は37%、「全くしらない」は15%。「わからない・無回答」は6%。
過半数以上が「知らない」この状況で、女系天皇について「賛成」「反対」を聞いても全く意味がないと、皇位継承論に触れるうえで、まず第一歩となるのが女系天皇について理解することだと、このたび上梓したのが、著述家 谷田川 惣 氏 との共著「入門、女性天皇と女系天皇はどう違うのか」。
著者の谷田川 氏によると、
「女性天皇」と「女系天皇」の違いは簡単で父方血筋の違いにある。
と説明。
例えば、愛子さまのお父さんは天皇陛下で、お父さんだけをさかのぼれば初代天皇につながります。なので、愛子さまが仮に天皇になれば男系の天皇です。しかし、愛子さまが天皇になって、「山田太郎さん(仮)」とご結婚されたとしましょう。その間で生まれたお子様が天皇になった場合、お父さんの血筋をさかのぼれば、山田さんの父方の血筋につながっていき、初代天皇にはつながりません。
と述べ、
歴史上、女系天皇は一度も存在せず、過去の「女性天皇」はいずれも「男系」。「皇位継承」論議とは、「男系継承」を守るかやめてしまうかということである。
と指摘している。
また、竹田 氏は、
歴史上、皇族以外の女性が当たり前のように、皇后になってきましたが、皇族以外の男子が皇族の地位を得たことは一度もありません。
男系継承の歴史とは、男性を徹底的に排除した歴史でもあるのです。
と、皇位継承においては、むしろ男性が差別されてきた。
と指摘している。
初代 神武天皇 以来、二千年以上男系により、皇位が受け継がれてきたことは、たまたま続いたことではなく、先人たちが一所懸命守り続けてきたことです。
2000年以上続いていることを、簡単に変えましょうというわけにはいかない。
と、竹田氏は主張している。