ここにある板チョコ。
一個一個は、真ん中が凹んでいる。
これをスマホのカメラで画面いっぱいにして撮ってみる。
それを見てみると、当然、真ん中がへこんだチョコが映っている。
では、このスマホを上下逆さにしてみる。
先ほど、へこんでいたところが、でっぱっているように見えてこないだろうか。
本物と見比べて見ると凹凸が逆転しているかのよう。
この現象は、「クレーター錯視」と呼ばれている。
↓この写真はクレーターを撮影したもの。
このクレーターが、へこんでいると私たちがわかるのは、影があるから。
これを逆さにすると、でっぱっているように見えないだろうか。
ここで、光がどこから照らしているか考えてみる。
元の写真では、光は上から照らしている。
これをひっくり返すと、今度は光が下から照らしている、ということになるが、
実は、人はそのようには解釈しない。
ここに、錯視の原因がある。
私たちの日常では、光は上から照らしていることがほとんど。
太陽や部屋の明かりは上にあるように。
そのため、人間は、光源は上にあるものだという前提で物を見る。
すると、上下逆さの写真を見ると、「光源が下にある へこんだ物体」ではなく、
「光源が上にある でっぱった物体」というふうに解釈してしまう。
板チョコ以外でも、凹凸のあるものであれば、この現象が起きる。
(※しかし、上下逆を見続けていると、凹凸のどちらにも見えてくる)