上下を逆さまにすると凹凸が逆に見えてくる?という話:2355【2020/07/31】

ここにある板チョコ。

板チョコ

一個一個は、真ん中が凹んでいる。

これをスマホのカメラで画面いっぱいにして撮ってみる。

それを見てみると、当然、真ん中がへこんだチョコが映っている。

では、このスマホを上下逆さにしてみる。

先ほど、へこんでいたところが、でっぱっているように見えてこないだろうか。

本物と見比べて見ると凹凸が逆転しているかのよう。

本物と見比べる

この現象は、「クレーター錯視」と呼ばれている。

↓この写真はクレーターを撮影したもの。

このクレーターが、へこんでいると私たちがわかるのは、影があるから。

これを逆さにすると、でっぱっているように見えないだろうか。

ここで、光がどこから照らしているか考えてみる。

元の写真では、光は上から照らしている。

これをひっくり返すと、今度は光が下から照らしている、ということになるが、

実は、人はそのようには解釈しない。

ここに、錯視の原因がある。

私たちの日常では、光は上から照らしていることがほとんど。

太陽や部屋の明かりは上にあるように。

そのため、人間は、光源は上にあるものだという前提で物を見る。

すると、上下逆さの写真を見ると、「光源が下にある へこんだ物体」ではなく、

「光源が上にある でっぱった物体」というふうに解釈してしまう。

板チョコ以外でも、凹凸のあるものであれば、この現象が起きる。

スマホを上下逆さにする

(※しかし、上下逆を見続けていると、凹凸のどちらにも見えてくる)