キレイな夜景を「100万ドルの夜景」というのはなぜ?という話:チコちゃんに叱られる!【2020/09/04】

キレイな夜景を「100万ドルの夜景」というのはなぜ?という話がありました。

これを、夜景評論家の 丸々もとお さん が説明していました。

「100万ドルの夜景」という言葉が日本で生まれたのは、約70年前、1953年だといわれている。

日本で最初に「100万ドルの夜景」と言われたのは、兵庫県の六甲山にある展望スポットから見た夜景。

六甲山からの夜景

当時、海外ではキレイで価値のあるものを「100万ドル」と表現する文化があり、その影響を受け「100万ドルの夜景」と表現する人々が現れた。

最初は、一辺倒の言い方に、当てはめただけに過ぎなかったが、

当時の関西電力の副社長だった中村鼎(かなえ)さんが、六甲山から見える夜景の「ひと月の電気代」を実際に計算した。

六甲山から見える街の明りの契約リストから、電灯の数を割り出して計算。

六甲山から見える明かり(電球)の数は、約496万7000。

1灯あたりの1カ月の平均の電気代は、73円。

これをかけると、約3億6000万円。

当時の1ドル=360円で計算すると、

100万ドル

3億6000万円 / 360円 = 100万ドル となる。

六甲山から見える夜景のひと月の電気代が、偶然100万ドルに近かったので、六甲山からの夜景が紛れもなく100万ドルだったということが証明された。

そして、六甲山に観光客を集めようと、神戸の旅行会社が「100万ドルの夜景」とキャッチコピーをつけた。すると、神戸にたくさんの人が訪れるようになった。

これを知った各地の観光地でも、「100万ドルの夜景」というキャッチコピーが使われるようになり、香川県高松市、福岡県福岡市、静岡県熱海市など 日本全国に広まっていった。

そして、あまりにもどこでも使われるようになってしまったため、「100万ドルの夜景」は価値が無くなってしまった。

今では、「1000万ドルの夜景」という言葉が 一般的になっている。