大手通販サイト「Amazon」での話。
ネット通販サイトには、通常、「商品レビュー」がある。
商品レビューとは・・・
→ 商品を使った感想・評価などを書き込んだり、星を付けて、他の人が商品の購入を決める際の参考にする情報。
購入する際、この商品レビューを参考にしている人も多い。
・買いたいジャンルが具体的に決まっているときは、どの商品がいいか決める際に参考にしている。
・実際に使った人の意見が見えるから、良いところや悪いところが分かるので参考にする。
・買うか買わないか、決めかねているときに、決断の後押しをしてもらう。
などといった声がある。
一方、今回問題になっているのが、「やらせレビュー」で、
やらせレビューとは・・・
→ 客を装うなどし、あたかもその商品が良い・悪いかのような不当な評価をつけるレビュー。
ある健康食品に関するレビューで、
「一粒が大きくて飲みにくかった。独特な匂いも好きではなかったです。」
という内容の投稿があった。
これは、40代の女性が投稿した「やらせレビュー」。
さらに、この女性に、この投稿を命じた会社の役員の男性がいた。
この2人は、仕事の仲介サイトで知り合い、1件500円で星1つのレビューを依頼していた。
被害を受けた会社と、この投稿を命じた会社は、競合他社だった。
被害を受けた社長は、「商品が売れなくなったらどうしようと悩んだ、怒りと恐怖を感じた」 という。
実際に、レビューの書き込みから1か月で、月間の販売数は約2割減となった。
以下は、刑事罰に至る経緯。
低評価レビューが1週間で2商品に9件続き、不審に思い社長自ら調査した。
すると、この女性と命じた男性役員を特定し、福岡県警に被害届を提出。
結果、今年(2020年)4月、福岡簡易裁判所は、低評価を依頼した男性役員に対して、「信用毀損罪」として、罰金20万円の略式命令を下した。
この罰金刑に関して、専門家らによると、
・匿名性もあり、ネット上の「やらせレビュー」で、立件されるのは異例。有罪リスクがあることが報道で広く周知されれば「やらせレビュー」をする人は減ると思う。
・「やらせレビュー」自体が犯罪にあたると認識され、抑止する効果を期待している。
とのことだった。