富士山の噴火に備えた格好は?という話:ヘウレーカ!【2020/10/07】

富士山の噴火について、火山学者の鎌田 浩毅 先生 が話をしていました。

現在は、おとなしそうな山に見える富士山。

富士山

実は、2000年間で、75回も噴火している。

平均すると、30年に1度。

すごく活発な火山。

でも、富士山は300年以上前に噴火(1707年 宝永噴火)して以来、沈黙を保っている。

実は、いつ噴火してもおかしくないと 鎌田先生は言う。

さらに、火山の寿命は100万年。

富士山は10万年前に誕生。

人間でいうと10歳に相当。

だから、今、富士山は小学生。

これから、中学校で暴れたり、思春期を迎えるかもしれない?

もし、富士山の近くで地震があった場合、噴火することがあるのか?

実は、東日本大震災のあと、富士山のマグマが少し不安定になった。

富士山のマグマだまりが地下20kmにあるが、そこの少し上の方で地震が起きた。

岩石が割れた。

つまり、マグマだまりの天井にヒビが入ったという。

そのマグマだまりには、1991年に噴火した雲仙・普賢岳が4年半かけて吹き出したマグマの3倍の量がためこまれている。

地震によって、そのマグマだまりの上側がもろくなっている。

次に起こる大地震が、噴火のトリガーとなる可能性が高いという。

もし、富士山が噴火したら大変なことになる。

1つは「溶岩」。

東海道新幹線の三島駅近くには、1万年前の溶岩が残っている。

噴火すれば、溶岩は海まで流れ着き、東西の大動脈が分断される。

他にも、「火山灰」。

電柱から電線がショートし、漏電して電気が止まる。ライフラインが止まる。

火山灰は、東京で5cmぐらい積もる可能性がある。

300年前の江戸時代は、ちょうど5cm積もった。

火山灰の雲が、2時間から3時間で、渋谷に到達。

空港も電車も、もちろんストップ。

自動車のフィルターが詰まり、エンジンが止まる。

火山灰が降る範囲は、富士山から東に向けて広がる。

火山灰が降る範囲

偏西風で、上空1万1000m上、西から東へ火山灰。

だから、首都圏が一番被害に遭う。

この灰自体は人体に影響がある。

その理由は、「ガラスのかけら」。

火山灰は、固まったマグマが細かく砕かれたガラスのかけら。

火山灰

溶岩流に比べ、見た目は大したことなさそうだが、実は違う。

目に入ると角膜を傷つけたり、吸い込むと、喘息や気管支炎を起こすことがある。

大量に降ると、水にも溶けないので、甚大な被害が予想される。

では、もし火山灰が降ってきたときに、どうやって対策すればいいか?

こちらの格好が参考になる。

火山灰対策

火山灰が目や鼻、喉に入らないように、ゴーグル・マスクをする。

ゴーグル・マスク

ゴーグル・・・密閉式で細かい火山灰を防ぐもの

マスク・・・防塵仕様で密着度の高い火山灰用のもの

ゴーグル・マスク

それから、帽子をかぶる、レインコートを着る、軍手をする。

帽子・レインコート

帽子とレインコートは、ナイロン製だと、パタパタと火山灰を払い落とせる。

また、火山灰を自宅に入れないよう、自宅の窓にやドアの隙間を目張りする。

さらに、水で流すと上下水道が詰まるので、火山灰は袋詰めにして捨てる。

鎌田先生によると、

富士山の噴火は、2〜3週間から1か月前に噴火が予測できるという。

100%災害を防ぐ「防災」をしようとすると、頑張るが故に大事なことが抜けたりするので、

できるところまで頑張る「減災」を心がけると、気持ちが楽になりやってみようかなとなる。

現在、噴火の可能性がある活火山の数は、日本全国に「111」ある。

活火山の数

ところが、対応するべき火山学者は40人ほどしかにないという。

火山が身近にある日本において、この現状はかなり危険なこと。

そのため、1人1人が広く浅く知識を持つことが大切だという。