富士山の噴火について、火山学者の鎌田 浩毅 先生 が話をしていました。
現在は、おとなしそうな山に見える富士山。
実は、2000年間で、75回も噴火している。
平均すると、30年に1度。
すごく活発な火山。
でも、富士山は300年以上前に噴火(1707年 宝永噴火)して以来、沈黙を保っている。
実は、いつ噴火してもおかしくないと 鎌田先生は言う。
さらに、火山の寿命は100万年。
富士山は10万年前に誕生。
人間でいうと10歳に相当。
だから、今、富士山は小学生。
これから、中学校で暴れたり、思春期を迎えるかもしれない?
もし、富士山の近くで地震があった場合、噴火することがあるのか?
実は、東日本大震災のあと、富士山のマグマが少し不安定になった。
富士山のマグマだまりが地下20kmにあるが、そこの少し上の方で地震が起きた。
岩石が割れた。
つまり、マグマだまりの天井にヒビが入ったという。
そのマグマだまりには、1991年に噴火した雲仙・普賢岳が4年半かけて吹き出したマグマの3倍の量がためこまれている。
地震によって、そのマグマだまりの上側がもろくなっている。
次に起こる大地震が、噴火のトリガーとなる可能性が高いという。
もし、富士山が噴火したら大変なことになる。
1つは「溶岩」。
東海道新幹線の三島駅近くには、1万年前の溶岩が残っている。
噴火すれば、溶岩は海まで流れ着き、東西の大動脈が分断される。
他にも、「火山灰」。
電柱から電線がショートし、漏電して電気が止まる。ライフラインが止まる。
火山灰は、東京で5cmぐらい積もる可能性がある。
300年前の江戸時代は、ちょうど5cm積もった。
火山灰の雲が、2時間から3時間で、渋谷に到達。
空港も電車も、もちろんストップ。
自動車のフィルターが詰まり、エンジンが止まる。
火山灰が降る範囲は、富士山から東に向けて広がる。
偏西風で、上空1万1000m上、西から東へ火山灰。
だから、首都圏が一番被害に遭う。
この灰自体は人体に影響がある。
その理由は、「ガラスのかけら」。
火山灰は、固まったマグマが細かく砕かれたガラスのかけら。
溶岩流に比べ、見た目は大したことなさそうだが、実は違う。
目に入ると角膜を傷つけたり、吸い込むと、喘息や気管支炎を起こすことがある。
大量に降ると、水にも溶けないので、甚大な被害が予想される。
では、もし火山灰が降ってきたときに、どうやって対策すればいいか?
こちらの格好が参考になる。
火山灰が目や鼻、喉に入らないように、ゴーグル・マスクをする。
ゴーグル・・・密閉式で細かい火山灰を防ぐもの
マスク・・・防塵仕様で密着度の高い火山灰用のもの
それから、帽子をかぶる、レインコートを着る、軍手をする。
帽子とレインコートは、ナイロン製だと、パタパタと火山灰を払い落とせる。
また、火山灰を自宅に入れないよう、自宅の窓にやドアの隙間を目張りする。
さらに、水で流すと上下水道が詰まるので、火山灰は袋詰めにして捨てる。
鎌田先生によると、
富士山の噴火は、2〜3週間から1か月前に噴火が予測できるという。
100%災害を防ぐ「防災」をしようとすると、頑張るが故に大事なことが抜けたりするので、
できるところまで頑張る「減災」を心がけると、気持ちが楽になりやってみようかなとなる。
現在、噴火の可能性がある活火山の数は、日本全国に「111」ある。
ところが、対応するべき火山学者は40人ほどしかにないという。
火山が身近にある日本において、この現状はかなり危険なこと。
そのため、1人1人が広く浅く知識を持つことが大切だという。