宝石の取引きでよく聞く「カラット」は、宝石の「大きさ」や「輝き」を表す単位と誤解している人が多いと思うが・・・、
実は、宝石の「重さ」を表す単位のこと。
1カラット = 0.2g と定義されている。
実は、カラットは、ギリシャ語の「ケラチオン(ギリシャ語)」という言葉が変化して生まれた言葉。
ケラチオンが意味するのは、「イナゴマメ」。
宝石は昔、イナゴマメで量られ、取り引きされていた。
イナゴマメは、古代から地中海東部で、食用・医薬品の原料などとして、使われていた植物。
なぜ、イナゴマメが宝石の重さを量るために使われたのか?
それは、イナゴマメは、一粒一粒の重さが、ほぼ均一だったから。
そして、取り引きされるどの宿場町でも育てることができ、天秤の重りとして重宝された。
宝石は、いつ頃から使われていたか正確なことは分かっていないが、
ある人は「お守り」として、ある人は「病気を治す道具」として、そしてある人は「権力の象徴」として使われてきた。
ちなみに、現在分かっている最古の鉱物の装飾品が、約4万年前のクロライトのブレスレット。
1カラット(0.2g)= イナゴマメ1粒 の重さ。
しかし、自然のものであるイナゴマメ、多少の誤差は出るはず。
実際にイナゴマメ100粒の重さを計測してみると、一番多かったのが基準となった0.2g。
しかし、0.01gのズレも厳しい宝石業界において、最大0.13gのズレが生じていたのは事実。
19世紀までは、1カラットという単位こそあれ、重さは各国によってバラバラ。
宝石は高価なものなので、これではもめるということで、
1907年の国際度量衡総会で統一されて、1カラットがイナゴマメの平均的な重さの0.2gに定められた。
ちなみに、宝石の重さを表す時、今でも「グラム」ではなく「カラット」を使っているが、実は、「カラット」を使うのは「ダイヤモンド」や「ルビー」などの不純物がほとんどない結晶物の宝石の取り引きのみ。
ラピスラズリや琥珀のような、不純物が混ざり合い大きさと重さが 一定でない非結晶物の宝石の取り引きは「グラム」を使う。
日本の企業が養殖に成功し、世界に売り出した真珠は、当時、日本で使っていた「モンメ」という単位で、今でも取り引きされている。