今では、様々な「電子音」で、「出来上がり」を教えてくれる「電子レンジ」。
実は、電子レンジが普及した当時は、音のないものがほとんどだった。
そのため、利用者からは、
「温め終わったのが分からず気づいた時には料理が冷めていた」
などというクレームがあった。
この声に答える形で、出来上がりを知らせる音を初めて採用したのが、早川電気工業(現在のシャープ)。
当時、電子レンジやオーブンが使われていた、周りの音が大きい「厨房でも聞こえる音」を探していた。
そして、サイクリングにでかけた時に、注意を促すために鳴らした自転車のベルの音がヒントになった。
自転車店は様々なベルの音を提案して、これを聞き比べることで求めていた音色を探し出して、1967年(昭和42年)に、実際に自転車のベルを搭載した「チン」となる電子レンジを誕生させた。
この「チン」と鳴る電子レンジは大ヒットして、家庭用電子レンジにも搭載。
そして、今では電子レンジで料理を温めることを「チンする」とまで呼ぶようになった。