空気を読むってなにしてる?という話がありました。
これについて、心理学とコミュニケーション術について研究している 清水健二さん (空気を読むを科学する研究所 代表)が説明していました。
空気を読むときに人は何をしているかというと、周りにいる人の0.2秒だけ見える本音を見ている。
人はお互いの表情を見て、お互いがどう思っているかを感じ合いながら、コミュニケーションをとっている。
実は、どんな人間にも生まれつき備わっている「7つの表情」というものがある。
それは、「喜び」「怒り」「悲しみ」「驚き」「嫌悪」「軽蔑」「恐怖」。
この7つの表情が、空気を読む時に人が見ている 0.2秒の本音と関係している。
これらの表情は、脳からの指令が顔の筋肉に伝わって作られるのですが、その指令が伝わるまでの時間がポイントになる。
顔の表情を作るための筋肉「表情筋」は、約30種類もある。
例えば、上司との会話で「怒り」の感情を抱く瞬間があったとする。
上司「お前、何か太った?」
部下「(カチーン!【怒】)」
その瞬間、脳が表情筋に「怒りの表情を作れ」と指令を出す。
しかし、次の瞬間、「相手に怒りが伝わってはいけない」と脳が判断すると、「怒りの表情を作るな」と、別の指令を出す。
感情を抱いた瞬間に、無意識のうちに出る指令は「反射」。
状況を踏まえたうえで出る指令は「理性」。
反射があって、理性が働くので、反射と理性の間には、どうしても0.2秒から0.5秒の時間差が生まれてしまう。
この0.2秒から0.5秒の時間差に、本音の表情が表れてしまう。
例えば、サルが歯をむき出しにしたり、犬が 人間で言うところの眉の辺りを引き上げたりと、動物には、様々な表情があるが・・・、
人間ほど表情豊かな動物はいない。
それは、人間の脳が動物に比べて高度に発達したことで、より複雑な感情を持つようになったから。
その 様々な感情を表現する手段として、表情が豊かになっていったと考えられている。
しかし、人間は会社や地域など、大きなコミュニティに属している。
この複雑な関係性が入り込むコミュニティでは、全ての感情が素直に顔にでると、社会生活がうまくいかない。
そこで、「理性」で「本音」を隠さなくてはいけないようになっていった。
その結果、一瞬だけ本音が表情に表れるようになった。