冠婚葬祭の「冠」って何?という話がありました。
これについて、民俗学者の 新谷尚紀 先生 (國學院大学 文学部 教授)が説明していました。
冠婚葬祭は、1つのセット。
人が生まれてから亡くなったあとまでの 人生のイベントを順番に並べた四字熟語。
冠婚葬祭の「冠」は「成人式」、「婚」は「結婚式」、「葬」は「葬式」、
ちなみに、「祭」は、盆踊り的なものではなく、先祖を「まつる」、祖先祭祀の「祭」。
「四十九日」「三回忌」など、亡くなった人をまつる「祖先祭祀(そせんさいし)」。
ところで、成人式を指す「冠」は 一体なんのこと?
昔は、一人前になる時に、冠をかぶる、あるいは、「えぼし」をかぶる。
頭にかぶり物をかぶる。これが 一人前の印だった。
奈良時代以降、12〜16歳(数え年)の男子が、大人になる際に行われた元服の儀式。
冠をかぶることで、大人と認められた。
この冠をかぶる大人への儀式が、時代を経て、今の「成人式」へと変わった。
ちなみに、成人の年齢が二十歳になったのは、明治9年。
平均寿命が延びたことなどが理由だと言われている。
国が成人の日を定めたので、大人になる儀式が成人式になった。
第二次世界大戦後の 昭和23年(1948年)に 生まれた「成人の日」。
実は、成人式は 最初、地方自治体が始め、その後、全国に広がっていった。