「そろばん」の話です。
江戸時代には、「読み書きそろばん」が勉強の基礎ともいわれ、寺子屋で教えられていた。
今から約4000年前メソポタミア地方で、
地面に線を引き小石を使って計算していたのが、そろばんの起源だといわれている。
13世紀ごろには、中国で「石を串刺し」にした形のものが生まれて、
その後、室町時代ごろに、日本に伝わり、今のそろばんになったといわれている。
ちなみに、当時の中国のそろばんは、1行の珠(たま)の数が2つ多い7つだった。
かつて中国は重さの単位が16進法だったので、1行で15まで数えられる形になっていた。
一方、こちらは、ロシア版そろばんといわれる「ショティー」というもの。
日本とは向きが違って、珠を左右にスライドさせて使う。
ちなみに、そろばんで計算を始める時に、「願いましては・・・」という掛け声をするが、
これは、何を願うのか?
元々、そろばんは数字の「読み手」と「使い手」の2人で使用するものだった。
そのため、「これから計算をお願いします。それは・・・」と相手に伝える意味で使われていた言葉が、習慣として現代まで残っている。
そろばんを使って計算することを 珠の算と書いて「珠算」と呼ぶが、
実は、珠が1つもないそろばんも存在している。
ただの木の枠だが、これは日本で生まれたもの。
これを使って、頭の中で珠の動きを想像して計算するために使われる。
これによって、暗算能力が鍛えられる。