「ぬか漬け」が美味しいのはなぜ?という話:チコちゃんに叱られる!【2021/01/29】

ぬか漬け」が美味しいのはなぜ?という話がありました。


これを、微生物の研究をしている 小笠原 渉 先生(長岡技術科学大学 教授)が説明していました。

そもそも、日本人というのは、みそやしょうゆなどの発酵食品を 微生物を上手に使うことで作り出してきた。

中でも、ぬか漬けは健康にいい発酵食品のキングオブキング。

そもそも、「ぬか」とは、精米した時に出る胚芽や皮の部分で、

鉄分やカルシウムなど精米したお米に比べて、栄養素が豊富に含まれている。

ぬか漬け作り【1】

ぬか1kgに濃度10%の食塩水を混ぜる。

ぬかがダマににならないように、少しずつ食塩水を加え全体になじませる。

ぬか漬け作り【2】

野菜の切れ端を入れる。

野菜の表面に付着している微生物がぬかに移動する。

この時、酵母や乳酸菌以外にも、雑菌も移動するが、食べるとお腹を壊すのでは?

でも、私たちはぬか漬けを食べてもお腹を壊さない。

それは、はじめに入れた塩と、野菜の表面から移動した乳酸菌が雑菌の増殖を抑えているから。

そもそも、「塩」には雑菌が増えるのを抑える力がある。

更に、野菜からぬかに移動した乳酸菌と酵母は、塩に強くぬかの糖分を食べて更に増殖し、次々と乳酸を作り出す。

この乳酸によって、ぬか床全体が酸性の状態になり、ヒトに有害な雑菌は増殖できなくなる。

ちなみに、雑菌の多くは「嫌気性」、つまり、酸素を嫌う性質を持っている。

ぬか床を毎日かき混ぜるのは、新しい酸素を入れて、雑菌の増殖を抑えるため。

酵母は、香りを作り出す微生物で、ぬか漬けの独特な芳醇な香りの正体は、この酵母が作り出している。

ぬか漬け作り【3】

2〜3日経ったら、野菜の切れ端を交換。

これを3回繰り返すことで、乳酸菌と酵母は更に増殖。

ぬか漬け作り【4】

野菜の切れ端を取り出す。

ぬか漬け作り【5】

うまみの成分、昆布を入れる。

ぬかの栄養、芳醇な香り、昆布のうまみが出てくる。

ここでポイントになるのが、最初に入れた「塩」。

この塩によって「浸透圧」が作用する。

塩分が濃いぬか床に、塩分が薄いキュウリを漬けると、

同じ濃さになろうとして、塩分が薄いキュウリの水分は塩分が濃いぬかの方へ移動。

野菜から出ていった水分と入れ代わりで、ぬか床に染み出ている昆布のうまみ、酵母で作られた香り、乳酸のほのかな酸味、更にはぬかが持つビタミンやミネラルなど、豊富な栄養素までが野菜に入ってくる。


そのため、ぬか漬けは、キュウリ、大根、ナスなど、水分が多い野菜が使われる。