日本の国技ともいわれ、1500年以上の歴史を持つ相撲。
一般的には、あまり知られていない様々な風習がある。
例えば、「土俵」。
開催場所ごとに新しいものが作られている。
地方場所では約40トンの土を使って、全て手作業で作られている。
そんな土俵の中央には、四角い穴が開けられていて、
その中には、「鎮め物」と呼ばれる、「米」「するめ」「昆布」「塩」などが埋められている。
これらは、神様への供え物であり、場所中の安全を祈願するためのもの。
さらに、力士の所作にも様々な意味がある。
取り組み前に両手を左右に広げ、手のひらを見せるのは、武器を持っていないことを相手に示すため。
取り組み前に塩を撒くのは、土俵上の邪気を払い清めるためといわれている。
ちなみに、15日間のひと場所で、約650kgもの塩がまかれる。
大相撲の千秋楽で土俵上で行われる儀式がある。
それは、「行司の胴上げ」。
これは、テレビの中継でも見られる 表彰や優勝力士インタビューの後に行われるもの。
新人力士が土俵に上がって、胴上げを行うが、これは「神送りの儀式」と呼ばれるもので、行司を神様に見立てて、取り組みを終えたことを感謝して、天に帰すという意味がある。
ちなみに、行司は相撲の立ち会いだけが仕事と思われがちだが、実は色々な役割を担っている。
例えば、力士の地位と名前が書かれた「番付表」。
これを手書きで書くのも行司の仕事。
また、すき間なく細かい字でビッシリと書いてあるのは、客がギッシリと入って満員御礼の願いが込められている。
かつて、大相撲の本場所が後楽園球場で行われたことがある。
こちらは、1944年の夏場所の様子で、実は当時、第二次世界大戦の影響で、旧両国国技館が爆弾を製造する工場として使用されていたため、代わりに後楽園球場で本場所が行われた。