海水に塩が入っているのはなぜ?という話がありました。
これについて、上ノ山周 先生 (横浜国立大学 名誉教授、日本海水学会 会長)が説明していました。
我々人類が生きている この地球にある「海」。
そんな海は、いつ、どのように誕生したのか?
そして、なぜ海水には、塩が入っているのか?
約46億年前、微惑星が衝突を繰り返し、地球が誕生した。
その後、地球に大きな天体が衝突。
その衝突エネルギーが熱に変わり、地球はドロドロに溶けてしまった。
地表はマグマに覆われ、その温度は1500℃以上あり、海は存在しなかった。
そして、惑星の衝突から、約200万年が経つと、地球の温度は下がり、
大気中の水蒸気は、水となり、地上に雨となって降り注いだ。
年間の雨量は、10mを超える、それは、すさまじい大雨だったと考えられる。
東京都の年間降水量は、1,590mm。その約6倍以上ある台風のような大雨が降り続いた。
その雨はなんと、1000年近くも降り続け、現在の海のもととなる 原始の海が生まれた。
しかし、生まれたての海は、現在の海とは違い、魚類や哺乳類などの生物たちが住める環境ではなかった。
地球がマグマに覆われていたころ、大気中には、マグマから噴き出した多量のガスの中に、「塩素ガス」が含まれていた。
この塩素ガスは、水に溶けやすい性質を持っていて、それが雨に溶け、塩酸の雨となった。
金属をも溶かす強酸性の液体。
そう、最初の海は、酸性の海だった。
酸性の海だったので、酸っぱかった。
しかし、その酸っぱい海が、なぜしょっぱい海に変わったのか?
火山によってつくられた岩石には、さまざまな元素が含まれていて、それらが酸っぱい「塩酸」の雨で、海の中に溶け出したのが原因。
塩酸の雨に含まれていた塩素が、岩石にあるナトリウムとくっつき、塩化ナトリウムが作られた。いわゆる「塩」が生まれた。
塩化ナトリウムは、今、海中の塩分の約8割を占めている。
約38億年前、酸っぱい海からしょっぱい海へと変化していった。
ちなみに、海水が年々しょっぱくならない理由は?
海水は年間425兆トン蒸発して、これに対して、雨は385兆トン降り、川の水は40兆トン海へ流れ込んで、ちょうどプラマイゼロ。
このように、うまく釣り合っているので、一定の塩の濃度を保っている。