こちらは、アメリカ・サンフランシスコにあるドラッグストア。
奥にいる男は、棚にある商品を買い物カゴではなく、足元の大きな袋の中に詰め込んでいる。
さらに店の中にもかかわらず、男の横には自転車がある。
実は、この男、店内で堂々と万引きをしていた。
しかし、手前にいる女性と警備員もスマホで撮影するばかりで、男を止めようとはしない。
そして、男は万引きした商品を入れた袋を自転車に積み、代金を支払わず店外へ。
他にも、サンフランシスコの近くの街でも、堂々と万引きをする男女の姿があった。
男が棚の一部を持ち上げている間に、女がその奥にある商品を取っていく連携プレーもあった。
通路の奥に店員らしき人物がいるが、近づこうととさえしない。
女が店の外へ出ていこうとするが、大きな袋に商品を詰めすぎて、次々に商品がこぼれ落ちている。
なぜ、サンフランシスコが万引きの無法地帯になってしまったのか?
サンフランシスコがあるカリフォルニア州では、
元々、通称「三振即アウト法」という前科2回の人が3度目、有罪になった場合、3度目の罪の重さにかかわらず、最低25年、最高で終身刑となるような、犯罪に対しては、厳しい地域だった。
ただ、その結果、刑務所に対して、莫大な経費がかかった。
これを受けて、2014年、住民投票も行われ、カリフォルニア州に新しい法律が施行された。
それが、約10万円以下の窃盗は軽罪に分類されるというもの。
そのため、今回のような万引きの罪を犯しても、釈放されるケースが多いという。
法律が緩和されたことによって、万引きや車上荒らし、住居侵入の犯罪が増えていった。
さらに、ここ最近になって万引きがエスカレートしている理由は、このコロナ禍で仕事がなくなり、失業者が増えたこと、
さらには、元々アメリカというのは、マスク文化ではないので、マスクをしていると怪しまれていたが、このコロナ禍でマスクを着用して入店しても怪しまれないといったことも影響している。
それにしても、なぜ店のスタッフは万引きを止めないのか?
例えば、店員が万引きを止めるために、取っ組み合いになったとする。
結果、店員がケガをした場合、訴訟を起こすケースが多い。
この店員が訴訟を起こす相手は、犯人ではなくお店側。
そのため、薬局チェーンのウォルグリーンの場合は、店のスタッフに対して万引きを止めないように指導しているという。