大阪市の造幣局本局。
ある部屋では、顕微鏡を覗いて作業をしている人たちがいた。
そこでは、「種印」という硬貨のベースとなる金型を彫っていた。
こちらは、500円硬貨の種印。
この「種印」が親、「極印」が子供、そして、私たちが使う「硬貨」が孫という位置づけになっている。
この種印、最初は機械で削り出すが、そのままでは彫りが甘く使えない。
そこで登場するのが、造幣局にたった6人しかいない「種印職人」。
機械では削りきれない部分を手作業で彫り直して、キレイに仕上げている。
その細かさは、0.1ミリ以下の作業。
1円から500円、6種類ある硬貨の種印は、毎年新しく作り直している。(表は5年に1度)
硬貨の種印で最も作るのが難しいものが、10円硬貨。
この10円の平等院鳳凰堂を仕上げられるのは、日本でたった2人だけ。
作業時間は、50日以上かかるという。