「午前中」と言うのに「午後中」と言わないのはなぜ?:チコちゃんに叱られる!【2021/10/08】

「午前中」と言うのに「午後中」と言わないのはなぜ?という話がありました。

これについて、日本語学を研究する木村一 先生(東洋大学 文学部 教授)が説明していました。

「午前中」と言うのに「午後中」と言わないのは、午後の終わりというのは、人それぞれだから。

「(なになに)〜中」というのは、「終わり」の方に意識が向けられることが多くある。

基本的には、終わりがハッキリしているものに、使われる言葉。

「午前」と「午後」の終わりについて、どのように書いてあるか辞書を引いてみると、

「午前」は、始まりに違いがあるものの、終わりは「正午」とハッキリしている。

一方、「午後」は、始まりはハッキリしているが、終わりがハッキリ決まっていない。

例えば、「午前中に荷物が届きます」と言われた時、昼の12時までには来ると考える。

では、「午後中に荷物が届きます」と言われたら、日が暮れるまで?夜?と、終わりがハッキリしない。

そのため、「〜中」が使いにくい。

他にも、時間を表す言葉では、「今日(0時〜24時)」は、終わりがハッキリしているので、「今日中」と言える。

ちなみに、時間軸ではなく、動作的な意味合いでも、終わりがあいまいなものなどには、「中」がつかない。