値上がりで今、特に問題になっているのが「原油」。
原油からできる様々な石油製品も値上がり、ガソリン価格は13年4か月ぶりに170円を超えた。
暖房やプラスチック製品など、身のまわりの多くのモノに、石油が使われているので、影響が大きい。
では、原油の値段は、どう決まるのか?
国が決めているわけではない。
原油価格は、ニューヨークで決まる!?という。
実は、世界の原油は3か所でたくさん採れる。
世界三大原油の「北米」「中東」「北海」。
その近くで、原油を売買する市場がある。
昔、中東で石油が出なかった時代は、石油といえば北米だった。
そして、石油を取り引きするのが、ニューヨークのマーカンタイル取引所。
原油の先物取引が行われている。
先物とは?
現物ではなく、将来の売買を約束する取引。
(例えば、3か月先にいくらで買うことができるか、という権利を売買している。)
先物なので、買ってすぐ手に入れなくていい。
もらうのは3か月先なので、「他に高く買う人がいるなら売ってしまおう」と考えて、石油に全く関係ない人たちが、金儲けをしようと売買している。
つまり、株の売買と同じで、安く買って、高く売ればいい。
今まで新型コロナで、あちこちロックダウンをしていた街がロックダウンをやめた。
皆がこれまで通りに経済活動をするということは、石油をたくさん使うことになる。
そこで、石油の値が上がると考えた人たちは、値上がる前に買おう、ということになり、
ニューヨークのマーケットで先物を買ってしまう。
そういう人たちがたくさんいるので、値段がどんどん上がる。
そうなると、中東や北海のマーケットでも、ニューヨークで値上がりしてるのなら、うちも値上げしてもいいよね、となる。
つまり、石油が値上がりしているということは、それだけ、世界経済が活発になってきたということ。
しかし、日本では、あまりに値上がりしているので、本来、自由競争の石油業界に、政府が介入。
石油を扱う業者に補助金を出し、値上がりを抑えようとしている。
しかし、値下げを強制できるわけではなく、ガソリン価格は高いまま。
今後も値上がりは続きそう。