テレビはなぜ映る?という話がありました。
これについて、テレビ放送の研究・開発を行う、放送技術研究所 の方たちが説明していました。
テレビの画素
テレビ画面の白い部分を虫眼鏡で見てみると、白なのに、赤・緑・青に光っている。
これは「光の三原色」を使用している。
光の三原色・・・目にする色はを赤・緑・青の組み合わせで表現。
例えば、
紫は、暗い赤、暗い緑、暗い青。
ベージュなら、明るい赤、明るい緑、暗い青
といった具合に、赤緑青の明るさを変えることで、あらゆる色を再現できる。
3つの光が均一の割合になった時には、白に見える。
テレビ画面の白い部分を拡大すると、そこには赤緑青の光がある。
3色並んだこの1マスのことを「画素」という。
ハイビジョンテレビの場合、32インチでも50インチでも大きさにかかわらず、画素は200万個ある。
この200万個の画素1つ1つが、光っている。
以下、テレビの仕組みを見てみる。
テレビが映る3つのプロセスがこちら。
被写体の撮影
カメラである被写体を撮影すると、被写体の光がカメラのレンズを通して中に入る。
その光は特殊なガラスを使って、赤と緑と青の信号に分けられる。
これで、被写体の光が電気信号に変わった。
電気信号の伝送
その電気信号は、テレビ局から各地の電波塔、東京であればスカイツリーまで送られ、そこから電波に乗せて、各家庭まで送られる。これが伝送。
家のアンテナに届いた電気信号は、今度はテレビの中で、再び光に戻る。
テレビの表示
テレビで、一番広く普及している液晶ディスプレイを見てみると、
白の場合は、3色だったが、どの光がどのくらいの強さで出ているかで、小さな1マスの点の色が決まる。
それが200マス分表示されている。
この光の強さを「液晶」で調整している。
テレビを真横から見た断面図がこちら。
裏からのバックライトが液晶層を通り、カラーフィルターを通って赤緑青の色がつき、私たちの目に届く。
この時、赤緑青のどの光が必要なのか、200万マス分の情報を伝えるのが「電気信号」。
この電気信号が、光を何色のカラーフィルターに通し、何色のフィルターに通さないか、液晶層の中にある液晶分子に伝える。
例えば、「赤と緑だけ光を通し、青は通さない」と指示されると、1つの画素は黄色として映る。
このようにして、1つの点の色が決まる。
電気信号には、200万画素全ての赤緑青の明るさ情報が含まれているため、
ハイビジョンの画面に、動画を1秒流すのに、約15億個の電気信号が必要。
しかし、実際には、15億個の電気信号を送ることはできないので、手抜きをしている。
電波は、公共の資源なので、1つのテレビ局で使える範囲が決まっている。
その範囲の中で遅れる電気信号は、約1500万個。
つまり、15億個の信号をどうにかして1500万個まで少なくしなければならない。
そこで、放送局が使うのが「手抜き」の技術。
映像でほとんど動いていない部分は、最初に一度送ってしまったらそれを使い回すというもの。
↓こちらの映像の灰色の部分が、信号を送らずに使いまわしている部分。
現在の地デジでは、完璧な画像を送るのは、0.5秒に1回だけ。
それ以外は、送らなくていいので、その分、電気信号の量は減る。
この技術を使って、15億個くらいの電気信号を100分の1にして家庭に送っている。