テレビはなぜ映る?という話:チコちゃんに叱られる!【2022/04/08】

テレビはなぜ映る?という話がありました。

これについて、テレビ放送の研究・開発を行う、放送技術研究所 の方たちが説明していました。

テレビの画素

テレビ画面の白い部分を虫眼鏡で見てみると、白なのに、赤・緑・青に光っている。

これは「光の三原色」を使用している。

光の三原色・・・目にする色はを赤・緑・青の組み合わせで表現。

例えば、

紫は、暗い赤、暗い緑、暗い青。

ベージュなら、明るい赤、明るい緑、暗い青

といった具合に、赤緑青の明るさを変えることで、あらゆる色を再現できる。

3つの光が均一の割合になった時には、白に見える。

テレビ画面の白い部分を拡大すると、そこには赤緑青の光がある。

3色並んだこの1マスのことを「画素」という。

ハイビジョンテレビの場合、32インチでも50インチでも大きさにかかわらず、画素は200万個ある。

この200万個の画素1つ1つが、光っている。

以下、テレビの仕組みを見てみる。

テレビが映る3つのプロセスがこちら。

被写体の撮影

カメラである被写体を撮影すると、被写体の光がカメラのレンズを通して中に入る。

その光は特殊なガラスを使って、赤と緑と青の信号に分けられる。

これで、被写体の光が電気信号に変わった。

電気信号の伝送

その電気信号は、テレビ局から各地の電波塔、東京であればスカイツリーまで送られ、そこから電波に乗せて、各家庭まで送られる。これが伝送。

家のアンテナに届いた電気信号は、今度はテレビの中で、再び光に戻る。

テレビの表示

テレビで、一番広く普及している液晶ディスプレイを見てみると、

白の場合は、3色だったが、どの光がどのくらいの強さで出ているかで、小さな1マスの点の色が決まる。



それが200マス分表示されている。

この光の強さを「液晶」で調整している。

テレビを真横から見た断面図がこちら。

裏からのバックライトが液晶層を通り、カラーフィルターを通って赤緑青の色がつき、私たちの目に届く。

この時、赤緑青のどの光が必要なのか、200万マス分の情報を伝えるのが「電気信号」。

この電気信号が、光を何色のカラーフィルターに通し、何色のフィルターに通さないか、液晶層の中にある液晶分子に伝える。

例えば、「赤と緑だけ光を通し、青は通さない」と指示されると、1つの画素は黄色として映る。

このようにして、1つの点の色が決まる。

電気信号には、200万画素全ての赤緑青の明るさ情報が含まれているため、

ハイビジョンの画面に、動画を1秒流すのに、約15億個の電気信号が必要。

しかし、実際には、15億個の電気信号を送ることはできないので、手抜きをしている。

電波は、公共の資源なので、1つのテレビ局で使える範囲が決まっている。

その範囲の中で遅れる電気信号は、約1500万個。

つまり、15億個の信号をどうにかして1500万個まで少なくしなければならない。

そこで、放送局が使うのが「手抜き」の技術。

映像でほとんど動いていない部分は、最初に一度送ってしまったらそれを使い回すというもの。

↓こちらの映像の灰色の部分が、信号を送らずに使いまわしている部分。

現在の地デジでは、完璧な画像を送るのは、0.5秒に1回だけ。

それ以外は、送らなくていいので、その分、電気信号の量は減る。

この技術を使って、15億個くらいの電気信号を100分の1にして家庭に送っている。