おかきとせんべいの違いは何?という話がありました。
これについて、和菓子の歴史や文化を研究している 青木直己 先生(東洋大学 非常勤講師)が説明していました。
おかきとせんべいの違いは、使っているお米の種類。
おかきは「もち米」、せんべいは「うるち米」を使っている。
日本には、たくさんの お米を使ったお菓子がある。
その背景には、日本古来の稲作文化の影響が大きいと思われる。
縄文・弥生時代に発展した稲作文化。
大切なお米は、神様にお供えされた。
その後、お供えされたお米は、人々によって食べられたが、
その際に、火を通したり、粉にして固めて食べたり工夫していた。
この習慣が、おかきや せんべいなど、お米の食品の歴史が生まれるキッカケになったと言われている。
お米のお菓子の主な材料は、「もち米」と「うるち米」の2種類。
まずは、もち米で作られる「おかき」。
その起源は、神様にささげられたお正月の鏡餅を保存食として長く食べられるようにしたことから生まれたと言われている。
鏡餅がかたくなってきたら、餅を小さく割る、つまり「欠く(かく)」という行為があり、そこから「かきもち」という名前が生まれている。後に、その「かきもち」を丁寧な言い方にして、「おかき」という言葉が生まれたと考えられている。
また、おかきより小さなサイズのものを 空から降る霰(あられ)に見立てて「あられ」と呼ぶ。
更に油で揚げて作るおかきのことを「あげもち」と呼ぶが、その起源はわからない。
続いては、うるち米で作られる「せんべい」。
元は、中国で、小麦粉を固めて油で焼いたお菓子が起源だと言われている。
その後、せんべいはお米好きの日本人によって、小麦粉の代わりにお米でも作られるようになり、今のせんべいが生まれたと言われている。
せんべいは作り方によって、「揚げせんべい」と「焼きせんべい」に分かれる。
焼きせんべいは、更に細かく分かれている。
追記:
近年は、もち米や雑穀米が材料に含まれるせんべいも販売されている。