夏休みの宿題がギリギリになるのはなぜ?:チコちゃんに叱られる!【2022/07/22】

夏休みの宿題がギリギリになるのはなぜ?という話がありました。

これについて、脳の構造に詳しい 森田敏宏 先生(医学博士 元東大病院医師)が説明していました。

実は、人間は目先のことは7つくらいしか覚えられない。

脳内には優先順位があって、夏休みの宿題をやろうという予定は、

なかなか、7つの中に入ることができない。

そのため、夏休みの宿題はギリギリになってしまう。

人間の記憶には、いつまでも覚えている「長期記憶」と、しばらくすると忘れてしまう「短期記憶」の2つの記憶があるという。

「自転車の乗り方」や「自分の家の住所」など、生きていくうえで覚えておく必要があるものや、「旅行で楽しかった思い出」など、感情がともなう記憶は、「長期記憶」として脳に残る。

一方、駐車場で自分の番号が25番だった場合、精算機まで自分の番号を覚える、

しかし、精算を終えたら、その番号はすぐに忘れてしまう、これが「短期記憶」。

夏休みの宿題がギリギリになるのは、「今日、夏休みの宿題をやらなきゃいけない」という記憶が、

短期記憶に入ってしまうから。

自分がこれからやろうとすることのリストは、短期記憶になる。

確かに、昨日やおととい何をしようと思っていたか、いちいち覚えていない。

脳にも記憶できる限界があるので、「夏休みの宿題をやる」という記憶は、短期記憶に振り分けられる。

しかし、短期記憶には、夏休みの宿題と相性が悪い弱点がある。

短期記憶の弱点は、一度に覚えられるのは、7つほどが限界ということ。

この弱点によって、夏休みの宿題がギリギリになってしまう。

今日やること、ベスト7(朝現在)。
1位:朝ごはんを食べる
2位:歯磨きをする
3位:ひまわりに水をやる
4位:セミ取りに行く
5位:ゲームをする
6位:チコちゃんを見る
7位:夏休みの宿題をやる

今日やることとは違い、宿題は、

「明日でも、明後日でもいいや」という気持ちが働いて、ランキングは下位になる。

他の予定が終われば宿題の優先順位は上がるが、短期記憶には夏休みの宿題と相性が悪いある性質がある。

短期記憶には楽しいことを優先してしまう性質がある。

今日やること、ベスト7(午後3時現在)。
1位:一度シャワーを浴びる
2位:着ていくものを決める
3位:お母さんにお小遣いをもらう
4位:髪型をセットする
5位:りんごあめを食べる
6位:一緒に写真を撮る
7位:チコちゃんを見る

頭の中は、楽しい夏祭りに関する予定でいっぱいに。

締め切りが先で楽しくない「夏休みの宿題をやる」という記憶は、短期記憶のランキング外になってしまった。

その結果、宿題に手をつけることなく、その日を終えてしまう。

こんな日々が続くが、8月の後半になると様子が変わってくる。

「全然宿題やってない!」

夏休みが終わるギリギリになると、他の遊びの予定もほとんどなくなり、締め切りが迫ったことで、

今日やること、ベスト7(8月下旬現在)。
1位:工作をお父さんに頼む
2位:自由研究をお母さんに頼む
3位:読書感想文はあとがきを写す
4位:夏島(友達?)からノートを借りて写す
5位:歯を磨く
6位:朝食を食べる
7位:チコちゃんを見る

それまで、優先順位下位だった夏休みの宿題関連のことが上位を独占。

こうして、ようやく宿題をやってないことに焦る。

人間は時間に余裕があると、目いっぱい使ってしまう。

実は、この現象には、「パーキンソンの法則」という名前も付いている。

夏休みの宿題に限ったことではなく、

遅刻しないように、いつもより1時間早起きしたのに、結局、家を出るのがギリギリの時間になってしまう。

これも、パーキンソンの法則に当てはまる。

では、夏休みの宿題がギリギリにならないためには、どうすればいいか?

【1】宿題をノートに書き出す
【2】1日でできる分量でスケジュールを組む
【3】宿題のあとに楽しい予定を入れる

最後に、「人間、追い込まれると信じられない力を発揮する」。