「ポリフェノール」ってなに?:チコちゃんに叱られる!【2022/11/11】

「ポリフェノール」って何?という話がありました。

これについて、日本のポリフェノール研究の第一人者、

近藤和雄 先生(お茶の水女子大学 名誉教授)が、説明していました。

ポリフェノールは、赤ワインに入っているとか、健康に良いとか、よく耳にすると思うが、

実は、ポリフェノールは、何か特定の1つのものを指すのではなく、

植物の苦味・渋味成分ほとんどのこと。

では、どんな植物にポリフェノールのは含まれているのか?

ほぼ、すべての植物に含まれている。

ポリフェノールの種類は、とても多く、自然界に約7000〜8000種類 あると言われている。

しかも、その全貌は、未だに明らかになっていない。

皆さんが、よく耳にする大豆の「イソフラボン」、柿の「タンニン」、ブルーベリーの「アントシアニン」、お茶に含まれる「カテキン」も、

実は、すべてポリフェノール。

では、なぜ、植物のほとんどに、苦味や渋味であるポリフェノールが含まれているのか?

その理由は、大きく2つ。

理由の1つ目は、

「苦味・渋味で虫や鳥に食べられるのを防ぐため」

例えば、アーモンドなど、ナッツ類の周りの薄皮は、食べると渋味を感じるが、

薄皮部分には、「レスベラトロール」というポリフェノールが、ぎっしり詰まっている。

植物は、まず、食べやすい果実を鳥に食べさせ、種の周りを渋くすることで、かまれず吐き出されたり、

丸飲みさせて、フンとして出されることで、生育範囲を広げることができる。

理由の2つ目は、「紫外線対策」。

植物にとって、紫外線は、強いストレス。

紫外線を浴びすぎると、枯れる原因となる「活性酸素」が発生し、植物は、やがて枯れてしまう。

そこで、植物は、体内でポリフェノールを作り出す。

ポリフェノールは、紫外線を吸収したり、発生した活性酸素を退治。

そのため、子孫を残すための種や、直接、紫外線を浴びる葉っぱや皮に、ポリフェノールは多く含まれている。

ポリフェノールがないと、植物は生きられない。

そのため、ほぼすべての植物に含まれている。

そんなポリフェノールは、人間にとっても健康にいいという。

考え方は、植物と一緒。

人間は、呼吸をして酸素を取り込み、それをエネルギーに変えて活動している。

しかし、その際に、一部の酸素が活性酸素に変化してしまう。

この活性酸素は、ふだんは、体内の細菌やウイルスを撃退してくれるが、

増えすぎると、人間の正常な細胞をも攻撃し、傷つけてしまう。

これが「酸化」という現象。

この細胞の酸化が、老化の原因となったり、心臓病などのもととなる動脈硬化や、そしてガンなど、さまざまな病気を引き起こしてしまうと言われている。

しかし、抗酸化作用を持つポリフェノールを摂取すると、体内で活性酸素を吸収して、退治する働きをしてくれることが研究で分かっている。

そのため、ポリフェノールは体によい。

ちなみに・・・、

ポリフェノールは、植物の色素成分でもある。

例えば、あじさいの青や、イチゴの赤など、

花や果実の色のほとんどが、ポリフェノールによるもの。