サッカーW杯カタール大会で、話題になった「三苫の1ミリ」。
この判定をしたのが「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)」。
海外メディアによると、このVARにはソニーの技術が使用されている。
前回のW杯ロシア大会(2018年)にも、VAR技術を提供した。
今回のW杯カタール大会では、3つのVAR技術が使われた。
ビデオ判定
ソニーが開発したシステムでは、スタジアムに設置された数十台のカメラの動画を瞬時に同期させて、VARのチームに送るというもの。
このVARのチームは、試合会場とは別の場所、8つのスタジアムから映像を受け取り確認。
スタジアムにいる審判と遠隔で会話している。
審判は 一視点でしか見ていないが、VARはほとんどのいろいろな角度をカバーされている映像を見ている。
驚きなのが、そのカメラの台数。
ウルトラスローモーションカメラが4台。
スーパースローモーションカメラが8台。
それ以外のカメラが30台。
合計42台ものカメラでプレイを確認。
審判の判定に「間違いがあったのでは」などの指摘がピッチ上からあった場合、VARチームから主審に呼びかけ、確認作業が行われる。
CGトラッキング
目視だけでなく、ボールなどの動きを瞬時にCG化する「トラッキング技術」もある。
最近、テニスの試合などで、よく見かけるこのシーン。
これは、ボールの行方を視覚化したCG。
トラッキングとは、日本語で「追跡」という意味。
選手やボールを追跡するカメラを複数台設置し、その位置情報をもとに瞬時にCGで再現。
例えば、ボールがラインを割った割らないといった「三苫の1ミリ」のような場面。
この時は、ライン上にボールが残っているといった判定を行った。
ミリ単位でボールを追っている。
選手の手や足など細かい動きも追跡可能なため、目視ではわかりにくい、オフサイド判定もできる。
センサー内蔵のボール
カタールW杯で、初採用されたテクノロジーが、「センサー内蔵のボール」。
ドイツのIT企業とアディダスなどが共同開発した公式球。
センサーが内蔵されていて、毎秒500回も位置情報を送信。
さらに、蹴った瞬間の衝撃も感知する。
まさに、「三苫の1ミリ」のように、ボールを蹴った時に、ラインを越えたかの判断にも使われる。
センサー内蔵のボールと、センサーなしのボールを比べると、見た目はもちろん、実際に触っても違いがわからないレベルだという。