食べ物に熱を加えると茶色くなるのはなぜ?という話がありました。
健康に良い食品の研究・開発をしている 永井竜児 先生(東海大学 農学部 教授)が説明していました。
食べ物を焼いたり揚げたりするなどして熱を加えると色が茶色く変化するのは、
「メイラード反応」が起こっているから。
メイラード反応は、料理をしたことがある人なら、みんな起こしたことがある。
食材に含まれるタンパク質と糖に、熱が加わることで茶色くなり、
うまみが増すことを「メイラード反応」という。
実際に、実験してみる。
試験管に2つの液体を用意する。
ひとつはタンパク質、もうひとつには糖が溶かしてある。
この2つを混ぜて温めると、
茶色になった。
このように、タンパク質と糖が、熱を与えることで、くっついて、
茶色の物質、メラノイジンに生まれ変わることを「メイラード反応」という。
ほとんどの食べ物には、タンパク質と糖が含まれているので、
加熱調理をすれば、ほぼメイラード反応が起こる。
たくさんの料理に起こる。
例えば、クッキーの場合は、タンパク質を含む小麦粉に砂糖を混ぜるため、焼くとメイラード反応が起きて、茶色く色づく。
そして、意外と思われるかもしれないが、ビールの色もメイラード反応によるもの。
ビール造りの工程で、原料となる麦芽を煮込んだ時に、麦芽に含まれるタンパク質と糖がメイラード反応を起こして色づく。
コーヒーは、豆をばい煎する時に、豆に含まれるタンパク質と糖が、メイラード反応を起こし、メラノイジンが生まれる。
そして、そのメラノイジンがお湯に溶け出して、液体が色づく。
さらに、メイラード反応は、匂いの物質も生み出す。
匂いを嗅ぐと、香ばしい匂いがする。
だから、トンカツでもから揚げでも、こんがり茶色くておいしそうに思ったりする。
ところで、メイラード反応を起こさなければ、白い料理が作れるのか?
こちらが、普通のホットケーキ。
材料は、こちら。
一方、こちらが、メイラード反応を起こさないホットケーキ。
材料は、こちら。
上白糖の代わりに、糖分が少なくメイラード反応を起こしにくい「トレハロース」を使う。
これは、ネット通販で買える。
さらに、小麦粉の代わりに、タンパク質が少ない「タピオカ粉」を使用。
さらに、タピオカ粉だけだと混ぜづらいので、少量の小麦粉を入れる。
そして、牛乳はタンパク質を含んでいるため、代わりに「水」で代用。
卵の黄身もメイラード反応を起こしやすいので、卵白だけをメレンゲにして使用。
これらを混ぜたものをフライパンで焼くと、白いホットケーキができた。
ちなみに・・・、
加熱調理中は食材・条件によって、こげ・酸化などほかの反応も起こる。
おまけ
まず、普通のホットケーキのタネで絵を描く。
その上から、白いホットケーキのタネを上にのせて焼く。
それを裏返すと、
普通のホットケーキの部分だけ色がつく。
こんな風に、ホットケーキに、絵が描ける。