おなかがすくと鳴るあの音は何?という話がありました。
これについて、消化管の働きに詳しい坂井貴文 先生(埼玉大学 学長)が説明していました。
おなかがすいた時に「ぐ〜」って鳴るのは、医学用語では「腹鳴(ふくめい)」と呼ばれる。
おなかがすくと小腸から「モチリン」というホルモンが出る。
胃の中の食べ物が消化され、ほとんどなくなると、
小腸からモチリンが分泌され、胃に「次の食べ物が来る前に掃除しよう」というサインが送られる。
この時、胃の中には、まだ少し食べ物のカスや水分などが残っているので、
胃から小腸へ食べ物をグニグニと押し出し、
次の食事のために、胃を空っぽにする動きが発生する。
胃と腸の間の細い部分を食べ物が通る時、音が鳴る。
例えるなら、マヨネーズの中身が残り少なくなって空気と一緒に出る時の音。
この音と同じ現象。
おなかがすいた時以外でも、おなかはいつも鳴っている。
聴診器などで聞かないとわからないくらい小さな音。
食事中や食後は。胃腸の中で、食べものをかき混ぜ消化する動きが起こる。
その時、外には聞こえない小さな音が鳴っている。
胃腸は約8メートル(成人平均)、食べカスなどが残っていると、胃がもたれたり小腸にガスがたまったりして、
病気になる可能性があるので、食べカスをなるべく体の外に出すため、胃腸は常に動いている。
ちなみに、
おなかの動きは無意識の副交感神経による作用なので、
びっくりすることで交感神経が優位になって、胃の動きが止まって、おなかの音は鳴らなくなる可能性がある。