なぜ蛇口をひねると水が出るのか?という話がありました。
これについて、東京都の水道水を管理している 東京都水道局 浄水部浄水課の人が説明していました。
「水道水が届くまで」が、こちら。
「水道水原林」という水道の水源になる森林では、落ち葉などが積もることで、スポンジのような柔らかい土が作られ、降った雨を土の中に蓄える。
水道水原林に蓄えられた水は、長い時間をかけて地下水となり、少しずつ川に流れていく。
川の水が辿り着いたのは「ダム」。
ダムでは、雨や、使用する水の量によって川に流す水の量を調節する。
その後、水を「取水せき」という所から、浄水場に取り入れる。
取水せきとは・・・河川を横断して水位を制御する施設
浄水場で、ろ過などをして、安全でおいしい水ができあがる。
浄水場から「給水所」へ送られる。
給水所で、各家庭まで届けられるように圧力をかける。
例えるなら、ビーカーに入った水をマドラーでかき混ぜるように、ポンプの回転で押し出された圧力を利用して各家庭に水が送られる。
このように、圧力をかけて、蛇口まで水を届ける。
例えば、水が満たされた管のの片方に圧力をかけると、
水は反対側から押し出される。
これは、距離が長くても同じこと。
どれだけ距離が離れていても、水が満たされている状況では、
1か所に圧力をかけると、それ以外の出口から水が押し出される。
給水所から送られた水は、担当するエリアに張り巡らされた排水管を流れていく。
このときの水には、どのくらいの圧力がかかっているのか?
定められた水圧の基準が、どの家でも3階まで届く水圧。
なぜ3階なのか?
昭和62年に、建築基準法が改正され、木造3階一戸建て住宅が認められるようになった。
これによって、それまでは、2階まで届く水圧だったのが、3階まで届くように拡大された。
地域によって、多少の差はあるが、多くの給水所では、ポンプの回転を速くしたり遅くしたりして、
ずっと3階に届く水圧になるように圧力をコントロールし続けている。
つまり、どの水道にも常に3階まで届く圧力がかかった水が送られ、
それを蛇口が直前で止めているので、蛇口をひねると水が出てくる。
(※各家庭の蛇口の手前で調整できるバルブもある)
では、3階より高い建物は、どうなるのか?
3階以上のビルの場合、マンションに設置されたポンプの力などを使って、水の勢いを上げて、高い所に届ける方法などがある。