野菜を食べるとシャキシャキするのはなぜ?という話がありました。
これについて、野菜に詳しい櫻井直樹 先生(広島大学大学院 特任教授)が説明していました。
野菜を食べるとシャキシャキするのは、「細胞壁」があるから。
すべての生物は細胞からできている。
例えば、動物の体は、
細胞のかたまりでできている。
一方、野菜などの植物も、細胞が集まってできているが、
細胞の周りを「細胞壁」が覆っている。
動物にはなく、植物にだけある細胞壁は、文字通り細胞の壁。
壁だから硬い。
食べることによって、細胞壁が壊され、細胞の中身が一気にはじけ出る。
その時に出る音と歯の振動が、シャキシャキの元。
細胞の中にある水が一気にはじけ出ることがポイント。
野菜などの植物は、80%〜90%が水分。
植物の細胞の周りには、多くの水が存在し、
カリウムや糖などを含んだ細胞は、
その水を吸って膨らむ。
細胞が膨らみすぎて、破裂しないようにするのが、細胞壁の役割。
ところで、なぜ、動物には細胞壁がないのか?
植物は根から水を吸っているので、細胞の周りは水ばかり。
しかし、動物の場合、細胞の周りには、水の代わりに、血液などの体液がある。
細胞の周りを水が覆っている植物に対して、
動物の場合、体液と細胞の中が、ほぼ同じ濃度になっているので、
浸透圧によって細胞が膨らむことはなく、細胞壁は必要ない。
また、細胞壁がない動物は細胞がやわらかいので、自分の体を支えるために骨が必要。
一方、植物は細胞壁が硬くてしっかりしているので、骨がなくても体を支えることができる。
シャキシャキしている野菜といえば、レタスやモヤシなどがある。
レタスとモヤシは似ている。
モヤシは、太陽の光を遮って育てる。
すると、太陽の光を浴びたいと、急激に細胞が大きくなる。
大きくなる分、細胞の中の水分も増え、薄い壁の中でパンパンに水が張っているので、壊れた時に勢いよく水がはじけ出す。
だから、シャキシャキを強く感じる。
レタスの芯の白い部分は、早く日光を浴びたいと細胞が大きくなった結果。
細胞壁が薄くなる上に、水分の量も増える。
だから、芯の方がシャキシャキする。