ここに、三角の切り込みが入った紙がある。
それをクリップを使って、スタンドにつるして、
下に重りをぶら下げると、どうなるか?
やっぱり、紙は切れてしまった。
これは、切れ込みが入っている分、つながっている部分が細くなっているから。
しかし、実は、ハサミで切れ込みの 一部を切り取ると、ぶら下げられるようになる。
「切り取るが、むしろ強くなる」
そんなことが、可能なのか?
まず、三角の周りをまるくハサミで切り取る。
切る前と比べると、確かにつながっている所が細くなって、弱くなっていそうだが、どうなるか?
重りをぶら下げてみると、
なんと、耐えている。
なぜ、切られて細くなった方が強いのか?
透明のアクリル板で、同じ形を作ってみた。
実は、アクリルは、液晶画面にかざして、偏光のサングラスを通して見ると、
力のかかり具合が、目に見えるようになる。
アクリルを曲げると、その力のかかった所に色がついて見える。
これで、力のかかり具合を見てみる。
まるく切ったものを引っ張ると、この辺り全般に力がかかっていることがわかる。
もとの三角の方は、引っ張ると、色が変わる部分が少ない。
色が変わる部分が少ないということは、力がこの範囲に集中していると考えられる。
まるい方は、広い範囲に、力が分散しているので、耐えられたが、
三角の方は、狭い範囲に、力が集中してしまうため、そこから破れてしまった。
ちなみに、力が集中しない形をもうひとつ考えてみた。
先ほどの三角のものに、切れ込みを足したもの。
ぶら下げると、これも耐えた。