切ると、むしろ強くなる:2355【2023/05/12】

ここに、三角の切り込みが入った紙がある。


それをクリップを使って、スタンドにつるして、

下に重りをぶら下げると、どうなるか?

やっぱり、紙は切れてしまった。

これは、切れ込みが入っている分、つながっている部分が細くなっているから。

しかし、実は、ハサミで切れ込みの 一部を切り取ると、ぶら下げられるようになる。

「切り取るが、むしろ強くなる」

そんなことが、可能なのか?

まず、三角の周りをまるくハサミで切り取る。

切る前と比べると、確かにつながっている所が細くなって、弱くなっていそうだが、どうなるか?

重りをぶら下げてみると、

なんと、耐えている。

なぜ、切られて細くなった方が強いのか?

透明のアクリル板で、同じ形を作ってみた。

実は、アクリルは、液晶画面にかざして、偏光のサングラスを通して見ると、

力のかかり具合が、目に見えるようになる。

アクリルを曲げると、その力のかかった所に色がついて見える。

これで、力のかかり具合を見てみる。

まるく切ったものを引っ張ると、この辺り全般に力がかかっていることがわかる。

もとの三角の方は、引っ張ると、色が変わる部分が少ない。

色が変わる部分が少ないということは、力がこの範囲に集中していると考えられる。

まるい方は、広い範囲に、力が分散しているので、耐えられたが、

三角の方は、狭い範囲に、力が集中してしまうため、そこから破れてしまった。

ちなみに、力が集中しない形をもうひとつ考えてみた。

先ほどの三角のものに、切れ込みを足したもの。

ぶら下げると、これも耐えた。