雑草ってなに?:チコちゃんに叱られる!【2023/05/19】

雑草ってなに?という話がありました。

これについて、植物の成長について研究している、古本強 先生(龍谷大学 農学部 教授)が説明していました。

みなさん「雑草」というが、「雑草」という名前の植物は存在しない。

しかし、アメリカで雑草の研究をしている、アメリカ雑草学会が、雑草がなんなのか定義している。

経済的損失、または生態系への損失を引き起こしたり、人間や動物に健康上の問題を引き起こしたりする、

それが生えている場所で望まれていない植物、と書かれている。

要するに、雑草とは、望まれない所に生えているすべての草。

畑で野菜の周りに生えてきて邪魔な、あの草は、農家から望まれていないので、雑草。

庭の手入れをしたのに、次から次へと生えてくる、あの草も、庭の持ち主には望まれていないので、雑草。

駐車場で脇にボーボーと生えてる、あの草も、管理人からは望まれていないので、雑草。

では、コンクリートから生えてきている「ど根性大根」はどうなのか?

他にも、道端に生えている「菜の花」はどうなのか?

邪魔だと思う人にとっては、雑草だが、

好きな人にとっては、雑草ではない。

つまり、生えている草が雑草にあたるかどうかは、人それぞれの主観による。

ところで、雑草について、ひとつ疑問がある。

雑草は圧倒的なスピードで大きくなって増えるイメージがあるが、どうしてなのか?

猫じゃらしのような雑草と、普通の植物とでは、光合成のシステムが違う。

普通、植物は、太陽の光がどんどん強くなった時に、光合成がそれに合わせて、どんどん活発になっていくが、

大気中には、約0.03%しか二酸化炭素がないため、光合成のスピードには限界がある。

しかし、雑草は、ターボエンジンのような光合成システムを持っていて、

二酸化炭素を体中に、ためておくことができる。

それで、普通の植物よりも光合成をどんどんできるようになっている。

トマトやナスなどは、ターボエンジンを持っていないが、

サトウキビやトウモロコシなどの背の高い植物は、持っている。

これらは、もともと雑草で、人間が食料用に改良したもので、背が高い。

しかし、それならば、全ての植物がターボエンジンを持っていればよいのではないか?

そんな単純な話ではない。

仮に、ターボエンジンを積んでいるスーパーカーを想像してみて下さい。

遠くの場所に行くのには、あっとう間に着いて便利だが、

燃費が悪い。

雑草も、あっという間に育つが、

日ざしが弱い所では、余計にエネルギーを使うので、実は枯れやすい。

雑草は、望まれない場所で生き残るために、普通の植物よりも燃費が悪く枯れやすい、というリスクを負ってでも、早く成長することを選んだと言えるかもしれない。